with entertainment = 相手の期待を超えること
株式会社ドリコム / 内藤裕紀
大学生の1年生は起業資金を貯めようと思って塾の講師をしていました。そのバイト代と奨学金を全部突っ込んで起業したのが大学1年の思い出です。途中でバレて奨学金は貰えなくなりましたが・・・(笑)。
当時は「Windows 95」が広まりつつあったので、「パソコンを習いたい人はたくさんいるのではないか?」と思い、パソコンを教える家庭教師のサービスを始めました。先生をネットで募集して、毎日ビラをポスティングしまくって、京都市内全部配ったと言えるくらい配ったのですが、1件もクライアントは見つかりません。計画を立てても現実には全く違うことが起こる。机の上では何も分からないと気付きました。使ってくれるユーザーが何を求めていて、その求めているものを少しでも越えているものを提供できているかどうかは実際にユーザーからの声がないと分かりません。ここから「やってみないと分からない」ということを学びました。
たとえば、気になるソーシャルゲームや、自社の新しくゲームをリリースした時にはまずはそのゲームをランキングトップに入るまで徹底してやり込みます。提供者側の目線では何も分かりません。そして分からないものに対して判断はつきません。「誰よりも自分がまず知る」ことが大切です。
社長は一般的には歌手とか芸能人に近いのではないかと思います。学歴も関係ないですし、自分の腕一本で頑張らないといけない。みなさんは社長がどの大学を卒業してから起業したのかどうかなんて全く気にしてないと思うんですよ。その人の能力や中身に注目しますよね。大事なのは何ができるか、ということだと思います。
学生の頃に起業するメリットは普通に就活したら外資系やコンサルに行くような優秀な仲間と一緒に始められることです。優秀な人ほど、起業や事業に興味を持ち、集まってきやすい。社会人になってそういう人を集めるのは相当難しい。ただ、社会で経験したことがないメンバーばかりが集まるので、NDAや契約書など、社会では当たり前に発生することの進め方が分からない。それはデメリットでもありますよね。学生のうちに起業するメリットは、優秀な人材を簡単に集められる事だと思います。
以前、何かの取材で「内藤さんは会社を辞めたらどうしますか?」という質問を頂きました。その時に「辞めたら暇だなぁ」と思ったんです。起きている時は何をしていてもなんだかんだ仕事のことを考えてしまっているわけですよ。もし辞めたら、考えていること行為そのものがなくなってしまう。自分の興味関心ごと全てなくなってしまうことが何よりもつまらないと思ってしまうんですね。
スポーツに熱中していてそれ以外考えられない状態に近いんですが、起きている時間全てを費やしてしまっていることが幸せなんです。