無駄の積み重ねが最大の効率化を生む
株式会社カンバン娘 高崎航
問題点というよりは課題を感じることはあります。主にふたつあります。
ひとつは、「離職率の高さ」です。言い換えれば、人事面の課題ですね。飲食店って非常に魅力的な仕事なのに、やめてしまう人が多い。カンバン娘を通じて、「お客様とのコミュニケーション」「接客」の楽しさをスタッフの方に感じていただければ嬉しいです。
もう一つは、「集客」の点です。先ほども話した、新規を呼び込む広告に頼りすぎてしまう点ですね。これは結果的に、自分たちを安売りしていることになります。それは、広告費を払えば新規のお客さんが呼べてしまうからです。
日本の外食産業は、世界的にみても圧倒的だと思います。特に、東京、福岡、札幌、大阪の4都市は群を抜いています。しかし、今のような状況が続くと、あと数年で香港や上海に抜かれてしまいます。
常連さんのリピート率はやはり上がっているという報告をもらっています。といってもまだまだリニューアルしてから日が浅いです。これからですね。
リリースして現状25日ほどですが、ユーザー数は3000人くらいです。しかしながら、カンバン娘の良い点は、登録しなくても利用できる点です。見たり、検索したりすることならだれでもできます。リニューアル前はユーザ登録ができないサービスだったので。
契約店舗数は400店ほどです。半年以内でプラス1000店を目標にしています。
今回リニューアルをしてカンバン娘は全国版になりました。今後はさらに横展開と海外展開を考えています。 「横」は、アパレル、リラクゼーション、美容室などにも適応できます。飲食業界にこだわらず、幅広い分野でサービスインできたらいいですね。
次に「海外展開」です。現在でも、台湾や香港、シンガポールなどの海外のユーザーが全ユーザーの四分の一を占めています。カンバン娘には「おひねり」というネットチップの機能があるのですが、海外にはチップの文化が根付いているのでうまく対応できると思います。また、看板娘という言葉自体はありませんが、海外でもそういった概念文化はあります。
最終的な目標は、日本発のグローバルビジネスを作ることです。現在、アジアのユーザーが多いことは意図していたことではありせんが、予想はしていました。
Facebookの登場で簡単に国を超えられるようになりました。現地でローカライズされた台湾のカンバン娘というサービスを立ち上げれば、日本人が台湾に行った時には、それを見て利用できます。逆に台湾人が日本に来た時は、今のサービスが使えるでしょう。
カンバン娘でイノベーションを起こすことです。今はそれしか考えていません。とにかくグローバルビジネスにしたいです。Facebookのように、世界のインフラになるかはわかりません。しかし、飲食の世界で私は恩をもらったので、飲食、外食業界に恩返しができるサービスになればいいですね。
起業の定義が難しいのですが、学生時代に個人事業主として活動していました。
始まりは19の時です。近所の喫茶店のおじさんのHPの依頼を受けました。当時はパソコンの「パ」の字も知りませんでした。それなのに、「やります!」って言ってしまったんですね。やるって言ったのにできないのは、カッコ悪いと思い、関連書を買って必死に勉強しました。そうして何とかHPを完成させると、お小遣いがわりに20万円もらえたんですね。その時に、インターネットの可能性と魅力を感じました。
大学を卒業してから1年後の2005年の時ですね。これが一社目の起業ですね。カンバン娘の前に社長を務めていたオンライフという会社です。今は創業者ということで、実質の経営権は持っていません。
2005年に、私と現オンライフの代表の持丸という男とアルバイトひとりの3人で、立ち上がりました。