世の中にインパクトを与える
株式会社ロコンド / 田中裕輔
学生時代は時間があるので、起業を含めて色々ともっとチャレンジしても良かったかなって思います。著書「なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?」や「ガンガン行こうぜ!人生のイシューを解く『インパクト志向』」でも展開している僕の主張の1つでもあるのですが、「失敗」は間違いなくかけがえの無い「財産」になります。失敗を積めば積むほど人間は強くなるし、そこで色々得るものはあると思います。学生時代の失敗って完全にリスクフリーじゃないですか。そういう言う意味では、どんどん「失敗」、特に「本気の失敗」をしたほうがよかったなと思います。私は学生時代、失敗も成功もないツマラナイ生活だったので、もっとちゃんとした成功や失敗をしておけばよかったなと感じています。
はい、僕にとってマッキンゼーは一番の学び舎でした。マッキンゼーでは、ロジカルな思考能力だけでなく、この人生で何を成し遂げるのかといった「志」をも沢山、学んだ気がします。単純にお金を稼ぎたいとか安定したいとかではなくて、皆で日本や世界に「インパクト」を与えていこうよっていうことを感じましたし。そう思わせてくれたものがマッキンゼーですね。
僕が会社に求めるもの、それは2つしかなくて、要は「ウィル(WILL)」と「スキル(SKILL))です。周りにいるのがサラリーマン志向の人間ばかりであれば、成長できるはずもありません。また、周りに優秀な人間がいればいる程、早く成長できます。この2つの要素を満たしていたのが新卒の時の僕にとってはマッキンゼーだったのですが、何もマッキンゼーだけとは限りません。ただ、会社の規模とか給与とか利益率とか、そんな指標ばかり気にしてないで、本当に長い目で見て成長できる環境なのかどうか、この視点で会社を選ぶことが重要だなと痛感しました。
経験として学生中に起業をするのは大賛成です。先程も言いましたが、学生中はノーリスクなので、どんどん失敗を経験すべきだと思います。
ただ、就職をしないでそのまま起業家になろうとしているのであれば、それは注意が必要です。何故なら、学生から見える「社会」と社会人になってからの「社会」では、見える広さと密度が違うからです。学生中に「これは世の中変えるかも?」と思ったとしても、社会に出てみると、実は大したアイデアでは無かったなんてことは少なくありません。マーク・ザッカーバーグのように学生中にとんでもないビジネスに出会ったのならば話は別ですが、そうでないならば、一度社会に出て「こういう世界になっているんだ」ということをある程度、理解し、熟慮してから起業するのでも決して遅くないと思います。一見、回り道に見えるかもしれませんが、その方が起業家としての信頼度を上げることもありますしね。
しかし、就職という道を選ぶ場合に気をつけて欲しいのが、社会の中で流されてしまわないようにする、ということです。「サラリーマン志向」に流されることなく、常に「アツい志」は持っていて欲しいと思います。