Know HowよりもKnow What
株式会社STANDING OVATION 代表取締役CEO/荻田 芳宏
卒業後は就職か起業かの選択肢で悩む時点で起業家には向いていないと思いますね。今は誰でも起業できるような環境があって、起業したい人は実際もうしているんです。すでに起業していて、継続するか、いまいち成果が出ないので改善するために就職して学ぶかっていうのならわかるんですけど。ただ、行くのであれば大手をおすすめします。なぜなら会社全体として働く人のレベルが高いからです。その中で仕事ができるのは重要です。マインド面で多くの人が陥りやすいのが、現状に満足してしまうことです。大手からベンチャーへ行くことは、高く跳ぶために一度しゃがむという覚悟が必要になります。そこで、ハングリー精神を養えたり、背水の陣で自分を追い込むことができるという意味では大手からベンチャーへの流れがいいと思います。もちろん学生時代から活動していて、明確なビジョンがある場合はそのままベンチャーもありだと思います。
日本発で世界を代表するスタンダード・サービスにしたいです。今のサービスはほぼアメリカ発なので、日本発で世界を代表するスタンダードなサービスにしたいと思いますし、数としてはユーザー数1億人を目指しています。僕個人としては、経営者として一流になりたいと思います。
学生のうちにぜひ身につけてほしい考えが4つあります。
1つ目は、見逃しの三振をしないこと。
同じ三振なら空振り三振の方がまだいい。バットをふらないと当然球は当たりません。でも多くの人は見逃しの三振で終わってしまっています。
2つ目は、「あ・お・い・く・ま」を意識することです。
「焦らない。怒らない。威張らない。腐らない。負けない。」 特に新卒の時期は腐りやすく、成果が出ると威張りやすいので注意が必要です。
3つ目は、Know HowではなくKnow What思考を大切にすること。
Know Howは過去の事例から学んだ失敗しない方法です。それをやっていると失敗はしないけれど、大成功もできない。特に経験を積むほど失敗と知識が増えKnow Howに縛られ、リスクヘッジしがちになります。新卒に期待されるのは、Know HowがまだないからこそKnow What思考で新たなモノを作りあげる力。いい意味でピュアであり続けることが大切です。 起業してイノベーションを起こしたいと考えるならなおさら、Know What思考であるべきです。Know How思考では平凡な成果しか出せません。
4つ目は、常にプロフェッショナルであること。
学生と社会人の違いはプロフェッショナルかどうかです。同学年や学内で競い合っていた学生時代とは違い、社会人は業種・年齢関係なくライバルとして見るべきです。その意味では社会人1年目とプロ野球のルーキーは、ただやっているのがITか野球かの違いだけで、同期です。活躍している選手と同じレベルで自分が戦えているのかを、常に意識すべきです。仕事への取り組みの真摯度、自分のコントロール…多くの人は負けていますよね。
そのために重要なのが、「言い訳をしない思考」の習慣化です。出来ない理由ではなく、実現方法を考えぬく思考の癖を日常的に身につけて下さい。多くの人は出来ない理由を見つけて他責しがちです。それではイノベーティブな成果なんて出せません。また、心技体のバランスを整え、心身のバランスをコントロールできるようになっておくことも重要です。多くの人は社会人になって体を壊してからそこを考え始めますが、元々自分でコントロールできるマインドを持っておくと社会人になってからが強いです。そういう意味では、目標体重を設定してダイエットをすることをおすすめします。一人称のダイエットすらできないようであれば、他人や様々な要因も関わってくる仕事をコントロールできるはずはありません。