起業家に必要なのは「積み上げ」の力。一橋大生の起業ストーリー
株式会社ジラフ / 代表取締役社長 麻生輝明
先ほども言った通り、中学の頃から経営に興味を持っていたので、「いつか起業しよう」という思いはずっとありました。でも、大学生になっても、「これなら絶対いける」という良いアイディアが思い浮かびませんでした。それでとりあえず就職活動をして、最終的にベンチャー企業に投資する企業に内定をいただきました。
内定をいただいた後、経営者や投資家が集まるイベントに行き、とある投資家の先輩に出会いました。企業への投資を行う会社に就職する予定だった僕は「投資家になるためにはどうすればいいですか?」と聞きました。そうしたら、「自分でサービスを作って成功させることだ」と言われたんです。日本は大体サラリーマンが企業に投資をするのですが、アメリカだと、基本的に起業家が投資ファンドを作って投資をして、起業家に対して経営支援なども行うのが普通です。起業家としての経験を持つことの大事さを教えてもらった僕は、残りの大学生活10ヶ月をサービス作りに費やすことにしました。そのため、当時は内定者でありながら起業家でもある、というような「二足のわらじ」的な生活を送っていました。
僕の場合は、「就職をするのか」「事業を続けるのか」というところで最後まで悩んでいました。でも、色々やっているうちに、「自分には起業家として事業をやっていたほうが合っているな」と思いました。また、友人がベンチャーキャピタルを始めるということで、彼から調達が決まったということもあり、腰を入れて事業を続けるため、内定を辞退しました。
若い投資家の場合、「ネットワークの広さ」や「信頼関係」というものを生み出していくことが必要となります。僕はそれよりも、起業家として「ひたすら何かを積み上げていく」という作業の方が得意だと思ったのです。
人やお金を使って、サービスを少しずつ改善していく、ということです。「良い人材を採用する」とか、「お金をもっと集める」とか、そういう様々な要素を組み合わせて、集合体として良いものを作り上げなければ、良いサービスは作れない。僕は、そのように全方位へ意識を向け、物事を順序立てて積み上げていくことこそが経営だと思っていて、そして自分にはその方が合っていると感じました。
そうですね。僕の強みは、目標に対して必要な順序を組み立て、それを実行に移すことができるところです。「これを作るにはどれくらい時間が必要になる」とか、「ここにはこういう課題が潜んでいる」ということが、大体あらかじめ分かるんです。そういった順序立てのスキルが、今の経営にも活きているのだと思います。
「自分の責任で事業を作り上げられること」ですね。起業家との比較対象に、企業内での事業責任者が挙げられることがあります。起業家と事業責任者にある大きな違いは、やはり「決裁権があるかないか」という点だと思います。事業責任者が「1000万円を使いたい」と思っても、それを実現するためには上司に許可を取らなければなりません。でも、起業家の場合は、そのお金を自分の裁量で使えるので、スピード感が全然違います。
また、将来を見据えて事業を作っていくという意味で、僕たちは常に「希望」を持って仕事をしています。「この事業は上手くいく」という希望を誰もが持ちながら、常に戦っている。そして、実際に売上が伸び、「周りの期待に応えられている」と感じる瞬間には、大きな喜びを感じます。
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