人生は消去法、頑張らない起業
株式会社東京梨庵 代表取締役 / 平野由梨子
大きな企業で働くことを経験したことで、会社経営をずっと続けて大きな会社を創っていくことのすごさを非常に実感できましたね。同じ空間で働く人たちと交流できる機会もたくさんあり、正社員さんの中には長年その代理店に勤めている人もいるのですが、話を聞いてとても参考になりました。会社の成長とともに社内環境が整っていく様を伺うことができ、「どんな大きな会社も少しずつの改善を繰り返していくことで良い会社になっていく」ものだと分かったのです。
この経験は経営者としての私の視野を広げてくれたと思っています。現在進行形ですが、とても良い経験になっています。
責任感を発揮するレベルが自分と近い人だと働きやすいのかな、と最近思います。それがあれば、多少の作業の遅さや失敗は自分でなんとかするだろうと安心して任せられるし、無理なところはきちんと報告してくれて周りもカバーしやすい。私の間違いに対しても指摘してくれるんじゃないかと。
やりたいことは色々ありますが、今までの経営においての選択は全て目の前に来たものを消去法で選んで来た道なので、絶対にコレを成し遂げたいという気持ちはないのが正直なところです。メンタルもどちらかと言えば気が小さいほうだと思っていますので、例えば今ここで「年商2億円を目指す」と宣言したら、自分へのプレッシャーで気持ちが折れかねません。(笑)
とはいえ、私は仕事を含め、社会で行動する上で常々思っていることがあります。それは「自分自身が幸せでいることが巡り巡って世界のラブ&ピースに貢献する」ということです。
自分が幸せであれば、他人に対して思いやりが持てる。それが一番身近な社会貢献だと思っています。そのような感じで、その時その時に目の前にあるなかからやりたいことをチョイスして、結果的に誰かが喜んでくれたり、夢を抱いてくれたりすることがあれば、この上ない喜びです。
広告代理店でお仕事させてもらうようになり、会社の売上の上がり下がりに関係なく、決まった報酬が払われ続けるという安心感を人生で初めて味わってみて改めて考えたことでもありますが、やはり経営をしていると安定した収入は特に初期は見込めないです。一方で人間は生きていく上で必ず何かしらの安心感を本能的に求めています。起業すると、「安定した収入」という「生きるために非常に重要な安心感」を手に入れることが困難になります。売上が下がり、お金が入ってこなくなった時に、お金以外のモチベーションがないと続けるのはシンドイです。でも自分の本能が求めている安心感を手放しても何か得たいものがあるのであれば、起業を選択するのも良いと思います。そのことを自分で理解しているだけでも心の安定を保ちやすくなるかと思います。もし事業がダメになっても、人生は何とでもなります。あなたが生きる上で本当に大切にしているものを明確にしておき、それを最低限守れる根拠を作っておけば、あとは幾らでも挑戦できるようになるはずです。
私が起業を選択した時、もともとは就職か進学かの一般的な二択で迷っていました。でも最終的に当初選択肢として思いついてすらいなかった第三の道「起業」を選択しています。
現在だと起業のハードルが下がっていると思うので、例えば目の前に就職・進学・起業の三択がある人も多い。でもそのなかにピンとくるものが無い方もいると思います。どれだけ世の中の選択肢が増えても、自分の心にフィットする道が身近なところに無い可能性はあります。まずは自分の実情を受け止めて、受け入れてあげてください。100人中100人が選んだ道を選ぶ必要はありません。周りから反対されるような選択であったとしても、ぜひ追求して欲しいなと思っています。世の中が常に変化しているのですから、今までの選択肢に囚われる必要性は全くないのです。もしかすると、あなたの感じているわだかまりのようなモノは次世代のスタンダードになるかもしれません。若いうちは社会的に何度でもやり直しできます。心が感じた道をぜひ勇気をもって進んでみて欲しいです。
本記事の作成者:佐賀 智之
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