「本質」を追うグロースハッカー
株式会社Project L.C. 代表取締役社長 / 田内 広平
学生時代から情報だけは熱心に取り込んでいましたね。特に本は大量に読み込んでいました。
私の場合、ビジネス書を読んでも面白みを感じることができなかったので、ビジネスとは関係ないような本ばかり熱心に読んでいました。
例えば、SF小説や哲学書、史学書、宗教学、民俗学といったものです。大学の授業も非常にバラエティに富んだものが多かったため、広く浅く学ぶことができました。
そうして知識が大量に増えると、自然と「この方法なら事業化できるのではないか?」という考えが浮かぶようになったのです。
昔から物を売るのが好きだったので、マネタイズの考え方についてはその時の自然と身についたのかもしれないですね。私はお金を稼ぐのはゲームみたいなものだと思っています。相手が欲しいと考えていそうな物を提供してあげて、その代わりに対価を受け取れればビジネスとして成り立つわけです。私の場合、昔から相手の欲しい物について考える機会が多かったのだと思います。特に小学校の頃は物々交換を熱心に行なっていましたね。
イラストや裁縫、彫刻等を駆使して友達の欲しがる物を作っていました。
当時は遊戯王カードが流行っていたのですが、私の親はゲーム関連の物を買ってくれなかったのです。買ってもらえる物といえば、ブロックや紙や鉛筆などでした。それでもどうしても私も遊戯王カードが欲しかったので、どうすれば良いか考えた末に、友達から遊戯王カードを貰う方法を考えるようになったのです。そうして物を作って交換するということを思いつきました。あとはゲーム類を買ってもらえなかったことで、自分でルールを作ってゲームを考えるようになっていました。だから今日はどんなゲームをするか、ルールを考えるのが得意になっていましたね。遊戯王カードを賭けて、賭けゲームを作って流行らせたりとか。
自分が少しでも勝ちやすそうなルールを設定をしたりして、いかに相手から遊戯王カードをゲットするかを本気で考えていましたね。(笑)
そうですね。当時はビジネスをしている感覚は全くありませんでしたが、今にして思えばあれは「商売」だったと思います。
ちなみに遊戯王カードブームが過ぎた後は、週刊少年ジャンプを売っていました。通常ジャンプは毎週月曜日が販売日なのですが、私は販売前の木曜日にジャンプを買えるお店を知っていたのです。私は通常の発売日前にジャンプを購入して、約2倍の値段で友達に売っていました。(笑)
僕から買わないとネタバレされるので、皆買ってくれましたね。(笑)
あえて言うなら、遊び方が少し特殊だったのかもしれないですね。勝ち負けがはっきりしている勝負事が好きだったので、賭け事っぽい遊びは特に好きでした。
その他は普通の学生と同じような過ごし方しかしていないと思います。中学時代は野球部に入ってスパルタな部活生活をしていましたし、高校時代はバイトをとにかく掛け持ちしてお金を稼ぐことに執着していました。バイトに関して言えば、3ヶ月間の毎日バイトをして100万円以上稼いでいました。お金を貯めたらバイトを辞めて、高校生がしないような豪遊をする、という経験もしました。それも特殊だったかもしれないですが、高校時代は「お金を貯めて遊ぶ」をとにかく繰り返していました。自分の中では「稼いで遊ぶ」というゲームを楽しむ感覚でしたね。
大学時代はオンラインゲームと図書館で本を読むことに夢中になっていましたね。ちなみに大学に入るまでは、漫画以外の本はほとんど読んだことが無かったのですが、地元のブックオフにあった少年誌、青年誌、女性誌含めて漫画は全て完読していました。3万冊くらいはあったんじゃないでしょうか。
ネットゲームにハマるとアルバイトもする気になれない状態で、朝起きたら次に寝る瞬間までずっとやり続けていて、たまに学校に行った際に図書館で本を読んでいました。
私の場合、中途半端なハマり方はしないので、それこそ1日中ネットゲームをしていました。それこそゲームが自分にとっての現実世界になるくらいやり込んでいましたね。
でも、そこまでやり込むと、ゲーム内でもある程度の地位を築くことができたんです。
ゲーム内では200人程のチームを作ることが出来るのですが、私は自分のチームを3つ持っており、計600人程いる中でのチームリーダーになりました。
まさにゲーム内ではちょっとした有名人です。(笑)
とはいえ、ネットゲーム内で私のチームよりも有名なチームは無数にあり、一番のチームにはなれませんでした。一番のチームは、ゲーム内の誰もが憧れるような素晴らしい組織だったのです。
私にはどう頑張ってもあれ程の素晴らしい組織を実現できなかったのですが、「あんなチームを自分も作りたい」、「どうすれば実現できるのか」と真剣に考えるようになったんです。