「学歴も物も全て捨てた。そこまでして描きたい世界がある」19歳起業家の物語
Wakrak株式会社 谷口 怜央
ワクラクはアプリを使って、一日単位で仕事ができるサービスです。また、そのアプリ内で、面接や履歴書も無くしましたし、給与を働いた次の日に振り込むこともできます。
これ自体はただの飲食店のアルバイトなどの一日単位のマッチングとすごく思われるのですが、本質的にはそうではなくて、僕らが集めているのは、マッチングした時に取れるデータです。
具体的にいうと、誰が、どこで、何が得意で、何が不得意なのかというデータです。これはどこの人材会社も持っていません。しかし、そのデータこそ1番重要だと思っています。なぜなら、いくつもの働いたことがある会社からの評価データは「自分はこんな人間だ」ということを、すごい信憑性を高く証明できるからです。
そのデータがあれば、わざわざ面接をしなくても、人事が、自分の会社に合うか合わないかということを、面接をする前からわかる状態を作れます。その結果、時間の無駄を無くしたり「あなたはもっと難しい仕事もできるよね」という風にステップアップもできる。そのように人事が考えることができるデータを、アルバイト資料から作っています。現在、データベースを作り上げている真っ最中です。
僕が考えている社会の負の中の1つである「貧困」の解決に取り組んでいる人達はいると思います。ですが現状はまだまだ解決できていない部分が多いです。その原因は解決しようとする人達が少ないことよりも、貧困の人達の存在を知ってるけれど、行動に移せない人が多いことだと思っています。
行動に移せない理由は明確で、普通に生活をしていたら、仕事もして、家族もいて、さらに社会課題に対しても取り組むというのは、なかなか難しいからです。ですが、例えば、信号で待っている時、隣にホームレスの人がいて、そこで私たちが一言話しかけられるかどうかだけでも社会課題の解決に繋がる可能性があります。というのも、僕がホームレスの人と話して、社会復帰をした方はたくさんいるからです。
それが今の人達にはなかなか難しい。その理由は、自分のことで精一杯で、余裕がないことだと思っているんです。でも、自分がやりたい時にやりたいことをやっていれば、自然と人は余裕ができるんじゃないかというのが、僕の中の仮説であります。その余裕をどうやって作るのかといったら、やりたい時にやりたいことをやるというところで、仕事に僕は結びつけました。
1日の中で1番時間を使うのは仕事です。なので、やりたい時に、やりたい仕事をやるようになれば、心に余裕が生まれ、社会の負を解決することに繋がると考えています。
自分自身の成長がわかりやすくなりました。人数が少ない会社は社長の成長が企業の成長に繋がると思っています。逆に社長が成長しないと企業も全然成長しないと思うんです。社長って、事業を作っていくことや、会社を伸ばす上での成長にコミットしないといけなくて、それが毎週、毎月のように数値として、会社の成長として返ってくるので、自分の成長が実感できるところが良いところです。逆にこれだけの成長は、他ではできないんだろうなあということは思います。
今思うと笑える話なんですけど、なんども会社は潰れそうになったし、数百万とか借金とかもしそうになったりしました。というのも、売り上げは立っているんですが、それに対する何十倍もの投資をしています。システムを作ったり、広告を出したりしているんです。そこの赤字の部分どうしているかというと資金調達で補っているんです。投資家から資金調達をするんですけど、それがいつ入るかという問題にいつも当たります(笑)
それに、組織崩壊も何回もしているんです。今は正社員が10人いるんですけど、正社員を雇う、今年の3月か4月くらいまでは、ずっとインターンで回していたんです。そこまでで約50人のインターンが辞めています。僕のマネジメントが下手だったんですよね。なので、今はマネジメントは任せていて、僕は僕ができる仕事をやっています。