「学歴も物も全て捨てた。そこまでして描きたい世界がある」19歳起業家の物語
Wakrak株式会社 谷口 怜央
<経歴>
1999年愛知県生まれ。名古屋の高校を休学して単身上京。IT企業で半年間のフルコミットインターンを経て2017年6月にSpacelook株式会社を設立。その後、社名をWakrak株式会社に変更。1日単位の仕事探し、面接なしで雇用契約締結、給与振込申請が行える「デイワーク」を行えるWebアプリ「Wakrak」を開発。本サービス「Wakrak」を入り口として人間の働き方を根本から変え、そして世界を変えるために活動中。
中学2年生の時に、野球をやってたんですけど怪我をしてしまい、下半身麻痺になったので、1年間、車椅子生活をしなくてはいけなかったんです。車椅子生活をして感じたことが、自分が困った時に、誰も助けてくれないということでした。道を歩いていても、見て見ぬ振りをされてしまうことがよくありました。
そういう人達ってきっと日頃の行動で精一杯だと思うんですよね。そういう時って人に手をさしのばすのは難しい。なので、他人にもっと手を差し伸ばせるような世の中にしたいと思ったことが、いろんな行動をするきっかけです。
そこからアフリカに行ったり、ホームレスの人たちと活動するようになったんです。
だけど、それらの活動をやっている時に、社会活動的なことは目の前のことしか変えられないなと気づきました。そのような活動も不可欠だと思うんですが、僕は社会全体を変えたかった。そうなると仕組みを変える必要があると思ったんです。仕組みを変えるには、影響力のあるITや持続性のあるビジネスで何かしないといけないと思い、高校を休学して、半年間IT企業でインターンした後に、起業しました。
車椅子生活をしていて、周りの人が見て見ぬ振りをするということに「社会の負の一面」を垣間見たような気がしたんですよね。それで、社会の負ってなんだろうと思った時に、真っ先に出てきたのが「貧困」でした。知識があったわけではないし、かといって何かを調べたわけじゃないので、完全にノリです(笑)そして「そもそも貧困って何?」と思って、貧困のイメージが強いアフリカに行きました。
チェ・ゲバラに影響を受けたんです。彼はキューバ革命を起こして、その後アフリカや様々な地域で活動していました。キューバでは成功したけど、アフリカでは受け入れられなかったということが、すごく引っかかっていました。なので、今思うと、貧困というイメージなしにアフリカに行きたかったのかもしれません。
椅子生活をしていて、自分が困っている時に、誰も助けてくれないという経験をして、カルチャーショックを受けました。日本で電車に乗る時に車椅子の人には駅員さんが板を敷いてくれると思うんですけど、敷いてくれなかったりしたんです。
そういう時に、父親にたまたまチェ・ゲバラが出ている番組を見させてもらいました。彼は医者なんですが、キューバ革命では医者とは全く逆の、人殺しをしていました。それでも困っている人や苦しんでいる人をほっとけないのがチェ・ゲバラなんです。なので彼は、医者の技術では変えられないことがあるということに対して、常に戦い続けていました。そういう、彼の生き方にすごい衝撃を受けました。