『サイバーエージェント子会社社長の告白』
【第20弾】後編
「大衆的でありながら、エッジの効いたものを創りたい」
新R25渡辺編集長の仕事論
『サイバーエージェントのグループ会社の社長インタビュー連載企画:第20弾』
新R25 編集長 渡辺 将基
読者からポジティブな反応をいただいたり、態度変容が起こせたときは嬉しいですね。
例えば、「この記事を見て、ここに行ってみました」「これ買いました」「この人をフォローしました」とか、実際に読者が動いたとき。
読者もそうだし、取材対象側の人生にも影響を与えることがあって、責任も感じるけど嬉しいですね。
あとはやっぱり、新R25の編集部に来てくれた編集メンバーが生き生き働いていて、彼らの周りの人から「新R25いいじゃん」って言われて喜んでるときとか。メンバーがうちに来て成長したり、力をつけて市場で評価されることもすごく嬉しいです。
【ただの“無謀な生活”じゃない。「家に住まない男」の暮らしがメリットだらけだった】っていう記事で取材をした、元サイバーエージェント社員の市橋ですね。
取材をした時は、プライベートで実験的に「家に住まない」という活動をしてたんですけど、その記事がバズってから会社を辞めて、今は「アドレスホッパー」として、同じような生活をしてる人たちを束ねていますよ(笑)。
あとは、カカクコムを創業して若くしてリタイアした槙野さんのインタビュー記事もかなり大きな反響がありました。
【「5億円稼いだら辞めると決めていた」カカクコムを創業し、28歳でリタイアした男の今】
SNSで大きく拡散してYahoo!ニュースのランキングでも1位になったんですけど、そこから槙野さんに取材依頼が殺到したり、経営している美容室に人がたくさん来たり、広報求人に30人ぐらいの応募来たりしました。
人の行動や意思決定に影響を与えられて、時にはその人の人生さえも変えることがある。
そうやって、新R25のコンテンツが人や社会にポジティブな影響を与えられた時はすごく嬉しいです。
あとは、いろんな分野で活躍する人に会って話を聞いたり、彼らとリレーションを築けたりすることもやりがいになっています。
ただ、ウェブメディアの場合は本と違って1人の著者と何回も打ち合わせを重ねるような機会がないので、1本1本の取材の中で、「この編集者は違うな」とか、「このメディアはすごいな」って思ってもらわないといけません。
そのために、自分の実力やメディアのレベルを上げていくのはやりがいがありますし、その結果として築けたリレーションが今の新R25の資産になっています。
「大衆的でありながら、エッジが効いたものを創りたい」という想いを昔から大切にしています。
大衆との接点を広く取った上で、どこまでエッジの効いたことができるか。
自分がつくってきたサービスやコンテンツは、全部そういう感覚でつくっていますし、その価値観は普段自分が発信する内容や立ち振る舞いまで、さまざまなものに派生していると思います。
例えば、LINEのスタンプって、
一番初めに出てきた時はちょっとトリッキーなコミュニケーション機能に見えたけど、大衆に広がったじゃないですか。
僕はこういうふうに間口の広さがありながらも、エッジが効いているサービスが一番かっこいいと思ってるし、そういったサービスを創りたいです。