そもそも企業や会社は、社会がないと成立しない
株式会社リバースプロジェクト / 龜石太夏匡part1
四期連続で新潟の南魚沼市でお米を作っています。このプロジェクトは、農家の方からお話を聞いたことから始まりました。100%コシヒカリと銘打って市場に出ている商品は、実はブレンド米が多く、自分たちの誇りを取り戻す為に、100%のコシヒカリで、無農薬のお米作りにチャレンジしたいと言われました。実際にその方とお会いしたら、強い意思とビジョンを持っていて、我々もリバースを立ち上げたばかりだったのですが、何かできることはないかと考えました。そして、デザインやブランディングのお手伝いをさせて頂くことになったんです。
田植えから草刈りまで無農薬で作る現場を体験させてもらったら、ほんとに大変だったんですよ。それで、実際に作っている人たちは減農薬米を食べていて、勧めるのは無農薬米ということに気が付きました。消費者には、無農薬米も減農薬米も選択肢を持ってほしいので、両方宣伝することにしました。お米作りをみなさんにも体感してもらおうと思い、田植えや草刈りのイベントも行いました。こんな風に、自分自身で経験して、農業の大変さを知ると、食べ物を大切にするようになるんだよね。
空き地に廃材で作られた家具が置いてあって、そこに私や伊勢谷が写っているのがリバースのメイングラフィックです。これが、1つ大きなきっかけだったんです。当時、そこには一軒の家があり、新築にしようとすると、古い家は取り壊されて、その廃材はほとんど捨てられてしまっていたんですよ。廃材とはいっても木材でまだまだ使えてもったいない。だから廃材を集めて家具やアート作品を作って、写真撮ったんです。
我々リバースプロジェクトの人類が、生き残る為にどうするべきかという理念を言葉で伝えても、誰もピンとこないんですね。だから、この写真を使って説明していこうと決めました。少しずつ理解を広げられたので、記念すべきプロジェクトでした。これは、リバースの理念を表現できている素晴らしいグラフィックだと思いますね。