そもそも企業や会社は、社会がないと成立しない
株式会社リバースプロジェクト / 龜石太夏匡part1
1993年渋谷にショップ「PIDE PIPER」を立ち上げ、その後原宿、大阪にも展開し、ファッションシーンをけん引する。その傍らで、俳優としても活動し映画「ソナチネ」などに出演。その後、映画製作に移り、脚本・プロデュースをメインに活動。主な作品として「カクト」(脚本・出演)、「ぼくのおばあちゃん」(脚本・プロデュース)、「セイジ-陸の魚-」(脚本・プロデュース)など。
2009年に伊勢谷友介と共に「人類が地球に生き残るためにどうするべきか」を理念とした株式会社リバースプロジェクトを立ち上げ、代表取締役社長に就任する。衣食住を中心とした様々なプロジェクトを立ち上げる。
株式会社リバースプロジェクト
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リバースプロジェクトは、『人類が生き残るためにどうするべきか』という理念に基づき、衣食住と言うカテゴリーの中で、さまざまな活動しています。 衣食住に着目した理由は、人類が地球に生き残るために何ができるかと考えた時に、人間生活の基本で、生活の全てに関わるプロジェクトにしなければいけないと言う思いからで、そこからしか継続する社会は見えてこないと思い、衣食住をスタート地点としました。それ以外では、教育やメディア、地方再生、被災地支援などの活動もしています。
リバースプロジェクトは、伊勢谷友介と私が中心となり、活動をしています。伊勢谷とは、一緒に映画を作ってきたんだけど、どんなに良い映画でも観た後に一週間で忘れてしまうんですよね。そこで、もっと社会に対して、インパクトを与えられるものはないかと考えました。実社会に、何かアクションを起こせるものを作るべきじゃないかと強く思い、リバースプロジェクトを立ち上げました。映画は作るのに時間がかかるけど、リバースプロジェクトはどんどん進んでいきます。常に、良いと思った方向に、変更していきました。映画とリバースプロジェクトは異なりますが、僕らの理念を共有しているんです。
誰もが映画を作ることを夢見るけど、予算もかかるし簡単じゃない。映画を作りたいって気持ちだけで、簡単にお金なんて出してくれないんです。結局、伊勢谷との2作目を作るのに7年かかったけど、5年であきらめたらどうなっていたんだろうと思います。途中であきらめたら、この5年間が後悔に変わるんだと思います。映画の完成までの6年10ヶ月は苦しかったけど、7年で映画ができると、この7年が自分の中ですばらしい時間に変わるんですよ。このことを、私は映画制作から学んで、人生もそれに近いのかなって思っています。
生きるって、やっぱり苦しいことの方が大きいですよね。でも、「目標があって、そこにいくためにその経験をしている」と思うのか「ただ苦しい」って思うかによって、全然違いますね。リバースプロジェクトも、大勢の人から反対されました。でも、そもそも企業や会社は、社会がないと成立しないですよね。だから、社会の抱える問題は、自分のことのように捉えなくてはいけないと思っています。環境や社会問題というのは、恋愛や経済と同じくらい自分に直結している問題なんですよね。他人事では、決して済まされない。
今までの資本主義は、エゴイスティックで、個人のエゴイスティックな欲望の集まりが企業だと思っています。さらに大きな集合体が地域であり、国でもある。でも、我々は地球が与えてくれるものは、有限だってことは分かっています。食べ物も水も土地も限られていて、エゴイスティックな価値観だけでは、成立しないはずなんですよ。自分の利益と社会全体の利益を、考えなきゃいけないはずです。どっちかに偏るんじゃなくて、バランスをとることが大切なんです。
この状況を、1番変えられるのは、「消費、仕事、理念」を通して、どうやって継続する社会を作れるのかを考えて、それぞれの立場から行動することなんです。リバースプロジェクトは理念を形にして、しっかり行動を示すことで、理念や考えを机上の空論にしないことを意識しています。