自ら新しい仕組み、知を生み出す
株式会社リバネス / 丸幸弘
語学が堪能である必要はないです。実は今、多言語化の仕事も手伝っているのだけれど、こちら側が喋った英語をピンマイクを通して相手側に中国語で聞こえるようなシステムがもうできるところまで来ているんです。語学の壁はテクノロジーが超えます。ただ国際感覚は絶対に必要です。考え方は皆違うっていうことを分かっていなければいけないと思いますね。
もちろんうちの会社には研究者としてデジタル系もいるし、電気電子工学系、半導体系もいるんですけれど、僕自身はバイオ系の人間なので、バイオから始めたんです。 会社設立から5年目という節目を迎えて宇宙や工学というところにも僕たちの考えを伝えていきたいということで、バイオっていう言葉を消して、最先端科学っていうのにリブランディングしていろんな分野に手を出しているのが現在です。でも、中心にあるのはバイオだし、これからはまたバイオの時代だと思っています。
問題があってそれを解決したら「ありがとう」と言われ、感謝とともにお金が入る。それ以外に仕事はないです。それでコアコンピタンスを何にするか。僕らはScience and Techをコアコンピタンスにしたけれど、じゃあもし君たちが起業するなら何をコアにしてどういうビジネスを作るか。そういうことだと思います。
ビジネスの基本は「ありがとう」を集めることです。僕はビジネスマンではないのだけれど、それを知っていたから会社を作ったのかなとは思いますね。
会社を作る経験を学生時代にしてみてはどうでしょうか?会社を作って選択肢を広げてみればいいと思います。一度会社を作るプロセスを踏んでおくと、いろいろなことが見えるようになります。僕が一つ面白いなと思ったことは、会社を作ると大企業を尊敬するようになるんです。大企業だって最初は1人とか2人で始めたんですよ。それが1千人規模、1万人規模になっていったって考えたらすごいなって。もし学生のうちに自分が1人とか2人で会社作って失敗したとするじゃないですか。そうしたら絶対大企業のこと尊敬するようになります。社長ってすごいなって。ベンチャー起業で働いたことのない人が「丸社長、ベンチャーいいですね。」なんて言うけれど、僕から見たら大企業最強ですよ。ほんとにすごいです。それに誇りを持って働く大企業のスタッフも欲しい。大企業とベンチャーの両方のことを知るために会社作って潰せばいいんじゃないかなって思いますね。
それと、グローバルな志向を持っていた方がいいですね。もう日本だけで働くっていう感覚は捨てるべきです。それと、20代にキャリアを一気に決めないこと。トレーニングの時期って考えればいいのではないでしょうか。そして文系の人には理転を勧めます。色んなことを経験してください。いつでも相談受け付けていますよ。