シェアハウスというライフスタイル、文化を普及させていく
東京シェアハウス合同会社 / 森山哲郎
シェアハウスに限らず、自分の手掛ける事業が誰かの役に立っていると実感出来るときは本当にやりがいを感じます。また、私の場合は、誰かの役に立ちたいサービスを考えるとき、昔の自分をイメージすることが多いのですが、地方から東京に来たばかりで知り合いが少ない人に対して、色んな人と出会うきっかけとなる環境とか、経済的な負担を減らすことができるサービスを提供したいとか、そんな事を考えながら、活動しています。時折、実際にシェアハウスに住み始めたという方から、連絡を頂くことがあるのですが、そういうときは本当にこの仕事を展開して良かったと実感しますね。
学生の頃は、平凡というか、普通でしたね。周囲と比較して、自分に秀でた才能が無い事は実感していたし、没頭できるほど夢中なものがあった訳でもありませんでした。時折、先生に、「お前は“なんで?”という質問が多すぎる」と言われた事がありましたが、それでも成績は判を押したように全ての科目が平均値でした。海外に行くと決めていたので、みんなが受験勉強に励んでいる中、読書をしたり、世界地図眺めたりと、少しのんびりしたタイプの学生だったと思います。
滞在した国ごとに、様々な方と出会う事ができたので、色んな思い出がありますが、振り返ってみると、オーストラリアのヘイマン島というホテルで働きながら、過ごした期間は、刺激をたくさん受けたと感じています。私が働いていた当時はオーストラリアで最も高級なホテルと言われていたのですが、実際に宿泊される方は、イメージしていた傲慢なお金持ちという方は殆どいなくて、品があって、謙虚というか、周囲に逆に気を配るくらいの方が多くいらっしゃいました。ある時、親戚や家族全員をホテルに招待されたゲストの方がいたのですが、その方は高級な食事やワインには一切目もくれず、他の人の世話をしたり、どうやったら、みんなが快適に時間を過ごせるか考えていたり、ホテルのスタッフ以上に動かれていました。あまりにも同時に色んな事をされていたので「疲れないのですか?」と思わず声をかけたことがあるのですが、そしたら「支えてくれた人達に恩返しできている今は、とても幸せなんだよ」ってとても嬉しそうに言うんです。結局、1か月の滞在で1億円くらい費やされたと聞きましたが、ホテルの前に広がる青い海とその時の会話がリンクして、強く印象に残っています。勿論、それはある方の余暇の過ごし方の一面なのかもしれませんが、人生の成功者に対する価値観への影響が大きかった体験だったような気がします。
シェアハウスというライフスタイル、文化を普及させていくこと。地方から上京する人、海外の人が日本に来た人にとって、役にたつサービスを提供していくことを達成したいと活動してきました。但し、僕自身はシェアハウスには、もっと大きな可能性があると考えています。たとえば、今、社会が取り組むべき課題、資源の有効活用や、多様性の認知と推進、世代や国籍が異なる人との共生と対話という点でも、シェアハウスがその基盤となる事は可能だろうし、グローバル化していく社会においては、初めて訪れる地域でも負担を少なく新しい生活を始められる場所や、現地に住む人と交流がしやすい場所というのは、より重要性が増すと思います。始めて訪れる地域でも、同じような課題解決に取り組んでいることが分かれば、一緒にプロジェクトを組むことができるだろうし、そこで一緒に議論しながら暮らせる場所があったら、世の中の色んな問題を解決していくことに、よりつながると思うのです。また、僕自身はやはり海外を舞台に活動したかったので、世界中の色んな街にあるシェアする暮らしを紹介できたら最高だろうな、と考えてもいます。やっぱり世界を舞台に活動していきたいですね。
人生は一回きりなので、自分の気持ちと正直に向き合うことが大切だと思います。何となく起業家とか経営者はかっこいいな、というスタートでは、発想そのものが、一人よがりになってしまい、事業としては殆ど上手く行かないと思います。環境の変化が激しい時代なので、これからも、色んな流行が生まれては、廃れていくと思いますが、結局、社会は、人との繋がりで構成されているので、色んな人や物事とかかわりあって、自分が情熱を注ぐことができることを見つけて欲しいと思います。自分探しも人生の一つのステージだと思って、前向きに色んな事を挑戦してください。リスクをとってでも新しい領域に挑戦するのは、若い人の方が圧倒的に有利です。転んでも起き上れば良いし、失敗しても、違う方法を見つければ良いと思います。応援しています。頑張って下さい!