一人一人が経営者の考えを持って働く
Bistro COZY / 滝本 浩一郎
僕自身は後3年くらい、料理を作る側ではなく、サービスする側の勉強をしたいと思っていたんですよ。マネージャー的な事をやって、それからお店を出した方 が上手くいくだろうなと思ってたので。ですが、両親がそろそろ精肉店を引退したいという事になって、お店を出しました。大変だったですよ。最初は。
やはり集客に苦労しました。今ぐらいお客さんが来て下さるようになるまで3年はかかりました。本当に働きましたよ、休みが無いんです。日曜日は定休ですけ ど、その日には一週間分仕込み作業を一人でしなくてはいけないし。 なまじ料理が出来るから、無謀にも色々やりたくなっちゃうんです。あれも出したい、これも出したい。けど、限界がありますよね(笑)手の込んだ完成度の高 い料理や、デザートのアイスなんかも凄くこだわっていたんですけど、やめました。家族経営だったからここまでこれた。これで店舗を借りていて、人を雇って いたら潰れていただろうなと思います。
コックの仕事は3Kと呼ばれて、あまり労働条件が良くない仕事なんです。その中でも、自分の作った料理を喜んで「おいしい」と言われた時が、お店を開いてよかったなと思う時です。人に喜んでもらって、パワーを頂いています。
もちろん常連さんがいることはありがたいですけど、常連って常連じゃなくなってしまうんです。やはり飽きてしまうんです。よく、「昔ながらの味を守ってい ます」なんて言うところがありますけど、あれは嘘。物は同じでも、やっぱりその時その時の味覚に合わせながら、盛り付けも変えながらやっているんです。だ からこそ老舗は生き残っているんですよ。それからもちろん新規のお客さんも欲しいですし、常連さんをいかに飽きさせないかというのも大事です。この二つが 課題ですね。
コロッケです。祖父、父と精肉店だったので。お肉屋さんのコロッケってあるでしょう。あれを少しアレンジして出しています。
生春巻きとかハンバーグとか、人気のものは常に置いてあります。ただ、それだけだと常連さんは飽きちゃいますから、ランチメニューは週変わりに、グランド メニューは3カ月に1回総変更してます。昔はレシピを考えるのに時間がかかりました。今はスタッフと相談できるので、そこまで時間をかけずにできるように なりましたけどね。。