強烈な時代、到来
Terra Motors 株式会社 / 徳重 徹
大学受験のときに浪人を経験しました。私の高校は田舎で学年300人中浪人をするのは私以外、あと1人だったので、浪人をしていることに対する劣等感がました。
そのような苦しい受験勉強をしている中で支えになったものが起業家たちの本です。当時は純粋な年齢だったこともあり、「あきらめない」「やり続ける」という起業家の軌跡に励まされ、素直に吸収することができました。それは今の自分の基礎になっています。
ビジネス書と経営書を読みまくりました。成功した起業家のセミナーにも会いにいきました。また、広く海外を見てみたいと考えるようになり、バックパッカーとして20カ国ほど旅をしました。
行く先々には新しい世界が広がり、考えさせられることもたくさんありました。そして、自分の中で、将来は①大を成す、②世界で闘う、③面白く生きるという3つの基本ポリシーを持つようになりました。
確実にあったほうがいいと思います。海外へ行くことによって日本人であるという意識を持たざるを得ないし、色んな事を考える機会があります。
私はMBAを取得するためにアメリカへ行くまで、日本の歴史を何も知りませんでした。しかし、アメリカで生活をしているとマイノリティですので、「自分が 何者なのか、ルーツは何か、何ができるのか」という事を常に問われる状況になります。海外にいる日本人の方が逆に愛国心が強いですし、歴史、人間学も勉強 しているように思います。
このように留学は人間の骨格ができる機会が与えられるように思います。
はい。日本の一番の問題点は優秀な人がチャレンジをしないことなんです。私は色々と失敗してきて学んだことが大きな糧になっています。若いときに失敗し、そのことが価値があると経験上わかっていれば、失敗を必要以上に恐れる必要はありません。 チャレンジをして成功すれば、それはそれでいいですが、失敗しても「それも良し」と思うことができればチャレンジすることにマイナスはありません。
大学卒業後は住友海上火災保険株式会社に就職しました。ありのままに自分のことを話して、一番評価してくれたのが住友海上だったので、就職先に選びました。入社後、経営企画のような全体が見える部署に配属されました。
そこでは本当に鍛えられましたね。また、全体を見ることができる部署だったので、何を考えるにしても全体から考えられるような力が自然とつきました。感謝しています。
4年目ぐらいまでは、おもしろい仕事ができていたのですが、将来のことを考えるとエキサイティングな仕事ができるようなイメージができなくなったので、5年半ほどでやめることにしました。もともと損保は、給与もよく安定を求める人の集まりなので違いますよね。
はい。ゼロから出発するためにアメリカへ行き、MBAを取得しようと思いました。せっかく、大企業を辞めたので、好きな分野と得意分野が重なるベンチャーをすることを真剣に考えました。目指す先はシリコンバレーです。
またしても簡単にはいきません。スタンフォード、UCバークレーとことごとく失敗し、やむなくアリゾナのサンダーバード大学へ行きました。でも、どうして もシリコンバレーに行きたいという気持ちがあったので、苦労の末、這い蹲って、やっと、シリコンバレーでインターンを勝ち取りました。
仕事内容はインキュベーション事業でした。仕事を通して日本のベンチャーの実態や日米のベンチャー企業の違いを学ぶことができたことは本当にいい経験でした。
私が大事にしている考えは戦略的思考(ロジック)と起業家精神(パッション)を持ち合わせることです。日本人に多いのは、片方だけを持っていることなんですよ。日本の起業家には、戦略的に考えていない人が多いのです。
それに比べてシリコンバレーでは起業家精神と戦略的思考の両方を持っている人が多いですし、チームで仕組みを作る人が多いのです。かなり組織的に、戦略的に考えています。