強烈な時代、到来
Terra Motors 株式会社 / 徳重 徹
日本人はみんな日本に帰って行きましたが、私は絶対にリベンジしてやるという気持ちがあったのでアメリカに残りました。自分で技術ベンチャーのハンズオン支援事業を立上げ、5年半続けました。
ハンズオン支援だったので、起業家目線で実務を経験しました。また、収入なければ給与無しという条件下で、現実の厳しさも経験しました。
アメリカで闘っているうちに、日本の問題も目に付くようになりましたし、日本への想いも出てきました。日本再生のためには、日本初の技術を世界に展開できるような企業の創造、さらにはそのような会社が多く出てきて産業クラスターが形成される必要も痛感しました。
そのような中で、イノベーションが起こせそうな起業分野を探し出していたところ、今の電動バイク事業を考えました。
私はシリコンバレー的な会社をやりたいと考えています。そのひとつは、もともと市場があるところを狙うということです。そして、アメリカの企業は最初からかなりグローバルでダイナミックな考え方をします。
そういう企業には人材も集まります。 弊社も、日本にはなかなかいない起業家精神と戦略をもつ人材が集まってきています。最初の10人までの社員の質が特に重要で、最初の企業カルチャーがしっかりしていれば、次からもそういう人が集まってくるんですよ。
もうひとつ大切なことはフレームワークです。組織の仕組み作り、資金調達の順序、資本政策、キャズムの超え方、市場拡大の仕方、パートナリング、法務リスクなど、最初から想定されることを策定しておきながら、実務をやりながら仮設を調整していくというプロセスですね。
電動バイクの製造、販売をしています。電気自動車には、価格が高いということと走行距離が不十分であるという問題点がありますが、電動バイクであれば、40Km走れば十分ですし、価格も安く抑えることができるので、圧倒的に普及が早いと思います。
ベンチャー企業にとって大事なことはマーケットを読むことです。PCが生まれたときや、インターネットができた時など非常に大きく物事が変わるときというのは大きなチャンスがあるときです。
今はクリーンテック革命と言われていて、環境に対する関心が高まっています。 その中でも電気自動車や電動バイクというのは非常に面白い分野で、100年に一度のパラダイムシフトが起こりつつあります。垂直統合から水平分業といわれる構図で、今までのガソリン車とは物作りが大きく変わるので、既存の大手社はやりにくいんです。
今まで培ったエンジン技術が何の役にも立たないというわけなので。そのぶん、ベンチャー企業にはチャンスがあります。 世界的に、電気自動車の分野で勢いのあるベンチャーが生まれている中で、日本だけがなかなか盛り上がっていません。5年間、放置していたら米国、中国のベンチャー企業に取って代わられる可能性もあります。
なので、今、日本発として私たちが取り組んでいるのです。僕たちは新しい産業を作る思いでやっています。
「TERRA」というのは、ラテン語で「地球」という意味です。社名には地球環境を守る会社になりたいという思いと地球規模で展開していきたいという思いが込められています。
未来の子供達のためにも、世界規模にてCO2削減、環境問題を解決したいですね。 東南アジアを見てみると、騒音や排気ガスによるスモッグが本当にすごいじゃないですか。住みやすい街を作りたいです。
また、日本で一番足りていない成長戦略を具体化したいです。新しい企業がどんどん立ち上がり、そのうち一部が大きな事業となり、雇用も生み、税収を生むというような、日本の目指すべき理想の実現を具体化していきたいですね。
あそこの会社に行けば、わくわくする、面白い仕事ができるというような会社になりたいですね。