Community Access For Everyone
カフェ・カンパニー(株) 代表取締役社長 / 楠本 修二郎
初めは、友人との共同経営でチャイニーズスタイルのお店をしていましたよ。行列ができる人気店になり、3店舗を出しましたが、自身が目指している方向性とは異なったため終了しました。その後いろんなことにチャレンジしている中で、知り合いの方から、渋谷と原宿をつなぐキャットストリートの開発の話を伺ったんです。「キャットストリート」の開発を通じて街の活性化を、自分なりの価値観で捉えてみようと思い始めて、結果的にカフェの創業に繋がりました。
リクルートコスモスに入社し、広報や社長秘書を経験した後、1年間だけ営業職を担当しました。けっこう売り上げを挙げて、その年の最多契約賞もとりましたが、マンションを売る仕事がやりたくてここに入ったわけじゃなかった。また、同期入社の仲間たちが、どんどん独立していっていたんです。でも、自分自身を振り返ってみた時、まだ独立できるほどのキャリアを積んではいないと思ったんですね。そこで修行のやり直しをしなければと考え始めた頃に、ある知人を介して大前研一さんを紹介され、大前研一事務所に入所しました。
日本を地域から元気にしようと、「平成維新の会」の事務局を務める中で、全国47都道府県を旅して回りながら、事務所の会員である経営者、会社員、学生など、幅広い属性、年齢の方々と目線を合わせたコミュニケーションを続けました。僕は東京と博多しかしらなかったのですが、実際に全国を回ってみると、知らなかった地方ならではの文化、言葉、食べ物、気候など、多様な地域特性があって、それらが混じり合って日本という国が存在していることを改めて実感しました。全国にどんどん仲間が増え、ビジネスとは違った意味で、コミュニティの素晴らしさに気付いたんです。
地元の福岡と東京しか知らない僕にはいろんな気づきがあり、 仕事でもアルバイトでも大学でも会議をする「場」は、すごく大事だと思います。例えば、「平成維新の会」の会議は、公民館や飲み屋ですることが多かったのですが、みんな良い議論をしているのに、なぜか噛み合わなかったりするんです。普通の会議室ですると固い議論になるし、飲み会の席でしてみると、お酒が入っているからヒートアップして熱くなりすぎて、同じこと意見にも関わらず議論が対立したりしまいがち。つまり、場の空気によって議論の内容は少なからず変わると思います。
人と人との出会い方もそうです。会話の仕方を工夫することで、コミュニケーションが円滑になることもあります。そういう意味では、目には見えないけれど、「デザイン」でもあるんです。