何パーセントで人と向き合うのか
grico HARAJUKU / エザキ ヨシタカ
「常に時代の一歩先行くおしゃれを提案し続けているのに何処とも違う遊び心をもったサロン」というコンセプトをgricoは掲げています。このブランディングをするには、他との差異を生めば良いのです。ブランディングという言葉を聞くとカッコイイように聞こえて頑張らないといけないのかと思ってしまいます。しかし、その言葉に捕らわれて、カッコイイことをしようとすると結局他の人と同じことをしてしまいます。つまり、当たり前のことです。
そうではなく、ブランディングとは、固定概念にあるものを全部取っ払って、好きなことをやることです。
そうですね。昔から、人と120%の力で向き合っています。そうやって、人と本気で話していると、思いがけない事柄を自分が話しています。会話の中で、新しい発見ができるのです。
例えば、自己開示です。普通、あまり人に対して自己開示を行いません。例えば、主人公と脇役の違いは、みんな主人公のことは生い立ちから知っているのですが、反対に脇役は人から知られていません。そう考えると、僕はどんな人にも想いを込めて話します。他の人も主人公になるには、自己開示をして周りと120%で向き合えば良いのだと思います。
もし、あまり仕事が上手でないスタッフが辞めたいと言ったとします。本当は、その子が辞めたら、売上は上がるとしても、僕はその子と全力で向き合って、話をします。疲れるけど、結果は出るし、自分自身もそこから、話し方や、どうやる気を上げるのかを学べます。
僕はそういう考え方はしません。「そういう人だから」という風に人を判断する考え方をしません。結果がどうであれ、そこに全力を出すことで教育論や経営理論を学べる。それをやらない限り、自分というキャパシティーを越えられないと思っています。
人は変われると思います。でも変わらない理由は何個かあります。 人と120%で向き合った時に気づいたことなのですけど、変われない人は一流の人と話す機会がありません。仕事を辞めたいと考えていたとして、その子の周りには同じレベルの人しかいないのです。身内はその子のことがかわいいから、その子の辞めたいという気持ちを優先してしまいます。周りと話しているから、変われないのです。
自分一人の力で変わろうとするのは難しいです。経験がないから。その経験の中で模索して、人を探しても、その中で一番上の人と話すしか、変える方法はないと思います。
変わろうとしない人が多い中、上司には人を変えるための話し方が必要です。僕だったら、もし、知っている子がいきなり違う業界で術もなく、戦うとなったら、止めます。普通止めないだろうけど、うちは止める。なぜなら、その人のことを本当に考えているし、好きだから。そういうちょっとした、向き合い方の違いが大切だと思います。
同じ事業だけでは、絶対上手くいかないと思います。そういう固定概念がある人は上手くいかない。特にこの時代は昔のようにプロの情報が一目瞭然ではなく、SNSを通し、プロとそうでない人の情報で溢れています。若者たちは情報過多になって、頭でっかちになっています。
その中で、一つの商売でやっていくならきっと本物だからこそ、様々なものに関われると思います。偽物だったら、関わる機会がないだろうけど、本物だからこそ、魅力があって、生める新たな繋がりがあると思うのです。