考えて貰う、マネジメント
犬のがっこうECO-LE / 川野 信哉
学生時代はほとんど遊んでばかりでしたね。就職活動期は私自身あまり安定志向ではないのですが、名の通った会社に入って早くお金を稼ぎたいと考えていました。そして最終的には建設会社に入社し、10年間は現場、最後の1年間は設計を担当していました。
そこでの経験はかなり大きかったですね。何百人の職人の方々を動かさなければいけないんですが、職人さん達って理論だけで通用しない部分も多いんですよ。そういう人たちをどう動かすかという部分ではとても勉強になったかなぁ。
やっぱり目先の事じゃなくて、「どうしてこの仕事をこの期限までにやって貰わないと困るのか」という旨を誠意を持って伝える事ですね。当然その場限りで 伝えても聞いて貰えませんし。普段からの交流や、仕事の環境を整える事、要望があったときなどに真摯に取り組む姿勢が大切だと感じました。特に職人さん達 の要望を叶える為に社内の上の方達と戦ったりするのは面白かったですね。だから仕事は割と楽しんでやっていました。
大きな会社なので学びたいと思うと情報が山のようにあるので、学びたい分野が沢山ある時期は良かったんですが、方向性が決まり新しいアイディアを出して も社内では通らないんです。居心地の良い会社なんですが、「やりたい事ができない、守られ過ぎている」といった思いが生まれて、それが「このままじゃいけ ない」という危機感に繋がったんです。同時に「自分が行動を起こせばこうなるんじゃないか」という興味もありまして、当時起業ブームだった事もあって会社 を辞めて起業する事を決めました。
正直あまり深く考えていませんでしたね。人によっては「もし辞めたらこの先の生活は大丈夫か?」という不安を感じるかもしれませんよね。でも私の場合 「やらなかったときの後悔」と「やったときの後悔」を比べたとき、前者の選択肢があまり自分の中になかったんです。とにかく思い立ったらやってみるという 性分なので、ある意味ではリスクマネジメントに欠けていたかもしれませんね(笑)。正直辞めた直後は辛かったです。
実際に退職する2〜3年前から、会社での仕事と並行してフランス人の師匠の下で専門的知識やスキルを学び始めました。当然1人ではできないので、妻に先行して貰いながら一緒に勉強しましたね。
中学時代に父親の仕事の関係でフランスに滞在していた時期を思い起こした時、日本とフランスでの人間とペットの関係性の違いを痛感した事ですね。例えば フランスでは子供が入れなくても犬は入れるレストランがあったり、マンションなど大家さんが犬を理由に入居を断っては行けなかったり、犬は居て当然という 環境なんですよ。もう何の違和感もなく存在する動物なんです。ただ日本では、犬は子供に近い感覚なんですね。そんな違いに興味をそそられた事がきっかけで すかね。
5〜10年前と比べると現在のペットに対する状況はかなり優しいものになっていると感じるので、まずひと段落ついたかなと思っています。
そして今後の方向性としては「何の為に犬を飼うのか?」というところですね。最近は犬が中心になって人間が犠牲になるケースもあるんです。やはり人間が 幸せになる為に犬がいると思うんですが、ただ人間だけが幸せでもダメですし、犬だけが幸せでもダメです。私達は「夢を叶えて人を幸せにする」という事を目 標にしているので、犬も人も幸せになれる事を目指しています。そして犬と一緒に夢に向かって挑戦して幸せを引き寄せようとする方々のお手伝いをしたいと考 えていますね。