挫折や失敗は、間違いじゃない~自己否定を繰り返して成長させる~
株式会社クラス / 代表取締役社長 久保 裕丈
私はもともと起業を考え、コンサルティングに行ったわけではありませんでした。正直言って、コンサルティング業界での経験はあまり役に立たないことが多かったです。
経営コンサルティングは経営という名前はついているけれども、実際にはスポーツで言うと、一生素振りをしているようなだけです。素振りを何度もして実戦に行っても、絶対勝てないじゃないですか。
ベンチャーの経営において、一番役立つことって、実際に起業や経営をしながら学び成長するものだと思います。
そもそも僕は、未踏の社会課題に挑戦し続けるというのがベンチャーだと思っています。逆に言うと、すでに似たようなものが多数存在していることをただうまくやるのは、ベンチャーだとは思っていません。
しかし、未踏の社会課題を解決しに行く時は、基本的に壁しかないんです。その時にどうすればいいかというと、シンプルに気持ちを折らない。折れずに、素直に自己否定をしながら、周りのフィードバックやアドバイスを正しく受け入れる。そして、どんどんサービスなり自身なりを成長させていくしか課題を乗り越えることはできないのかなと思います。
一番痛感したのが、 一社目の起業のときに、「7つの習慣」を読めと先輩の経営者から言われたことです。
「7つの習慣」という本は、字面だけを読むと、すごい当たり前のことしか書いてないんです。当たり前のことしか書いてないんですけど、 自分がそれを本当にちゃんとできてるのかなと振り返ったら、実は何にもできてなかったっていうことに気づかされました。そこで、自己否定や素直さを持って、きちんと情報に触れる大事さを知りました。
一社目では、組織作りや資金集めが全般的に未熟でした。二社目を立ち上げる際、そのような失敗から学んだので、今回は大丈夫だろうと思い、綿密に計画を立てたのですが、それでもまだまだ足りませんでした。
何事も、失敗と挫折しかないですね。経験したことのない経営者はいないと思います。
もちろんです。最初は、とにかく売り上げを伸ばせればいいという発想でスタートしましたが、あらゆるベースとなるインフラを整えないといけないと痛感しました。
例えば従業員の雇用制度やルールなど社内のインフラと、物流やカスタマーサービスといったお客様向けのインフラを整えたうえでサービスを伸ばしていく、そういう考え方を持つことが大事だと思います。そこは結構失敗が生かされている部分かなと思いますね。