意義に対する”尋常じゃないこだわり”はあるか?
株式会社エアークローゼット / 代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰
「自分の仕事に心から意義・意味を持つこと」だと思います。
おそらくサラリーマンの仕事の”受け方”と、起業家の仕事の”作り出し方”というのは、かなり違うと思います。当然、両方に共通してプロフェッショナリズムは必要なのですが、自ら意味・意義付けをして、仕事を生み出していくということが大きな違いで、それが起業家精神だと思います。
私は現在、Entrepreneurs’ Organization(EO)という経営者団体の『EO Tokyo Central』で会長をしているのですが、EOはミッションとして、「1人1人の起業家の可能性を最大限引き出し、世界を前進させる」ということを謳っています。おそらく、この「世界を前進させる」という部分が、「意義・意味」と共通していると思います。
私は、起業家に大切なチカラは3つあると考えています。
1つ目に、「信じる力」。実は信じる方向性もたくさんあって、例えば、『「自分」はできる』と信じることです。これは事業を続けるにあたって非常に重要な要素です。あとは、「仲間」を信じること。結局1人で仕事はできないので、仲間の仕事をどれだけ信じられるかどうかがすごく大事です。そして、自分たちの掲げる「夢」を信じることです。
2つ目が、「好奇心」。起業家は、新しいことに対して、好奇心を持ち貪欲に何でも知りたいと思うタイプが一番合うと思います。起業した後は、目まぐるしく状況が変わるので、それに合わせて自分たちが変化させられているというよりは、自分たちが早く変化する感覚を持つ必要があります。そのためには、興味関心を持ってたくさんの情報をキャッチアップする姿勢が必要です。結局のところ、好奇心がどれだけ旺盛なのかで、人の成長角度が変わってくるんだと思います。
最後に、「継続力」です。すごく短い期間で何かが突然変わるということはないので、しっかりと続けられることが非常に重要です。これは決して我慢して続けることを意味しているのではなく、自分のやっていることに対して納得してさえいれば、楽しく続けられるものです。そして、自分の仕事に納得するためには、自分のことを知っていなければなりません。実際、成功者の方の中には、自分のやる気スイッチの入れ方を知ってる人がすごく多いと思います。
この3つが揃うと、心身両面でエネルギーが溢れる状態になると思います。
正直、特段必要なスキルはないと思います。当然、会計や事業推進、プロジェクトマネジメントなどは、一定以上できるべきだと思いますが、それを身につけることは大前提だと思っているので、何か特別秀でているスキルは必要ないと思います。
なぜなら、仲間がそれらをすべてカバーできればいいので、起業家本人に必要なのは、「意義に対する尋常じゃないこだわり」です。それがないと、やはり人はついてきません。こうした熱意やオーラというものは、目に見えないですが必ず存在していて、人に伝わるものなんですよね。だからこそ、学生起業で大成する人もいるのだと思います。
日本は、海外と比べるとまだまだ起業で失敗することに対しての許容度は高くありません。それでもかなり世の中が変わってきていて、政府からの資金的な支援も増えてきているので、経済的にも社会的にも、起業で失敗することのリスクというのは減ってきていると思います。
本当に起業を志すのであれば、可能な限り起業家に近いところで1度経験を積んでみて、それに負けない自分のこだわりが発信できるのであれば、迷わずチャレンジしてみてほしいなと思います。ただし、当然いたずらに進めることはできないので、自分が取組む「意義」があって、『何があっても山を登り続けるんだ』という「意思」と「覚悟」があることは大前提です。反対にそれさえあれば、仲間と起業して一生懸命仕事するのはすごく楽しいので、個人的には起業家の道を強くおすすめします。
もし起業を志していて、経験談が欲しいという人がいたら、ぜひ臆することなく先輩起業家や私に相談してほしいと思います。私は価値観を共有し合うのも大好きなので、いつでもXのDMから連絡してください。