デザインの在り方を変える
カラフル・ボード株式会社 / 渡辺祐樹
2005年慶應義塾大学理工学部卒。
同年㈱フォーバル (JASDAQ) 「アントレプレナー制度」入社。
2007年IBMビジネスコンサルティングサービス㈱(現・日本IBM)入社、戦略コンサルタントとして従事。
在籍中に公認会計士試験合格。2012年4月より、エスモードジャポン非常勤講師就任。
web上で、デザインのコンテストを企画・運営する事業をしています。私たちは、ソーシャル・デザインプラットフォームと呼んでいます。つまり、デザインが集まるプラットフォームを作っているということですね。全国のクリエイターさんが、デザインを投稿してくれるのと、そのデザインに対して、評価をしてくれるコンシューマーさんがいます。デザインのアイデアに対して、コンシューマーの評価データも集まってくるというシステムになっています。これらのアイデアと評価データによって、、どのデザインが売れるかを分析しています。このデザインの評価システムは、独自に開発しています。そこで売れると評価されたデザインを、B to B とB to Cに分けて、アウトプットしています。B to Cでは、オリジナルで製品化をして、EC中心にアパレルショップ等で販売しています。B to Bでは、企業の開発とかプロモーション等を支援させて頂いています。コンテストを通じて物を作っていく過程で、同時にFacebook等SNSを用いて、情報を拡散していきます。それが、プロモーションに繋がるんですね。デザインを評価するのは、殆どの方が一般の人です。
また2015年11月には、ファッションアイテムと人の嗜好をマッチングさせるための新サービス「SENSY(センシー)」を発表しました。ファッションに特化した人工知能を搭載し、2500以上のブランドからユーザーが求めるものを的確に抽出するだけでなく、気になるスタイリストや著名人のファッションセンスを自分のコーデ選びの参考にするなどの機能を搭載しています。
http://sensy.jp/ /
私は、理工学部にいたんですよ。具体的には、人工知能の研究をしていました。将来は、研究者を目指していたんです。卒業論文の時に、良い研究もできました。研究を通じて、自分で新しいアルゴリズムを作ったんですが、それが実際に世の中に役に立つのは10年後、20年後先ということに疑問を感じるようになりました。そこで、もう一度自分が人生を通じて達成したいことは何か考えた抜いた結果、自分は「新しいものを生み出し、それで世の中に貢献すること」に、喜びを感じるのだと分かりました。そして、それは技術の分野ではなくても、ビジネスの方が自分の想いを達成できる気がしました。それが起業のきっかけですね。ただ、すぐ起業するには、自分に足りないものがたくさんあると思いました。そこで、一度就職して、スキルアップのために社会人経験を積もうと考えたんです。
4年生になる位までは、大学院に行こうと思っていました。就活もしていなかったです。方向転換をし始めたのが、その後ですね。就活するには遅れ気味だったんですけどね。
自分は、学生時代に一度家庭教師の事業で、起業したことがあるんですが、上手くいかなかったんです。自分の課題だなと思う点も、見つかりました。そこで、一度社会に出て、学んでから起業した方が良いと思いました。当時はやりたいビジネスモデルも確立できて無かったので、それを探しながら、スキルを身に付けようと考えていました。
そうですね。当時入社した会社は、起業する意思のある学生を、20人位採用していたんです。そこで、3年間のプログラムの特別枠で入りました。入社する時は、どんなスキルを身に付けたいかによって、その会社に入るかどうかを決めましたね。僕の場合は、コミュニケーション能力やマーケティング能力が不足していました。私が、入社した会社はそういった分野の実務も身に付けられる会社だったので入ることにしたんです。ここで学んだのは、泥臭い営業でも数字を作っていくスキルやマインドでした。その後、もっと大きな会社をどうマネジメントすれば良いかを学びたくて、コンサルタント会社に転身をしました。そこでは、大きい会社のプロジェクトマネジメントをやらせてもらえました。自分のやりたいことは、単に会社を大きくするだけではなくて、社会全体に価値を生み出すことを目指していたので、コンサルタントのスキルはとても重要でした。