どこで働くのかではなく、何を成すか
有限会社 ディマンドワークス / 齊藤 孝浩
学生時代は、普通の学生と同じように学校に通ってアルバイトをしてという感じでした。アルバイトで貯めたお金で海外旅行にもたくさん行きました。HISの格安チケットを利用した自由旅行で、中国や韓国、アメリカ、メキシコなどを回りました。自分の中ですごく視野が広がったのを感じましたし、ものすごくいい経験をすることができました。大学では、「ワールドミュージック」と「国際経済」の二つのゼミに入っていました。両方とも、世界規模で物事を考えるもので大変勉強になりました。当時から海外で働きたいという思いがあったのでインターナショナルな分野を学びたいと思っていました。
先ほども話したように、私は学生時代から国際志向でした。そこでインターナショナルなビジネスを行いたいと思い、商社に入社しました。友人の多くは証券や都銀などに入社していたのですが、私は食品やアパレルなど手に取ることができる商品を扱いたいという思いから商社を選びました。その会社で最初に配属されたのがアパレル部門でした。それ以後、21年間の間ファッション業界を歩み続けたという感じです。
元々、独立志向があり40歳くらいで独立したいという気持ちは持っていました。それでも、最初の10年近くは商社に勤めていました。しかし、業界自体を川に例えると、商社は川上に消費者は川下にあたり、両者の間に複雑な仲介業者が存在しています。商社で仕事をしていると大変大きな数字を扱うことができるのですが、直接的に消費者の顔を見ることはできません。より近い距離で消費者の声を聞きたい、仕事の本質を学びたいという気持ちがだんだん強くなっていきました。そこで、商社を辞め、アメリカで1年間“現場”に即した経験を積みました。帰国後、アメリカの会社のクライアント様のひとつであるジーンズの小売業者に入社しました。そこで仕事をしながら、現場に即して学ばせていただきました。役員も経験しながら、小売りチェーンの経営も経験しました。