起業家がドラえもんに学ぶべきこと
キャスタリア株式会社 / 山脇智志
多分、大正とか明治あたり、大学ができて以来、全く変わっていないですね。
ひとつには「学びや研究というものはいわゆる蓄積が価値である」という価値観に基づいているんです。「時間をかければ大丈夫」というものです。もちろんそれ自体を否定はしません。しかし、それが全てではない。我々のなかでは時間ほど重要なものはない。同じ結果を得るためであれば時間は短いほうが良い。
日本の教育に対してビジネスという面から「経済合理性」の有効性を考えた上で、教育なり学びというものをちゃんと提供できたらいいな、と思っています。そうすることでお金や地方だから勉強することを諦めた、というような人たちに勉学の機会を提供できるはずです。
私もそうでしたが、家庭の財政状況によって大学に行けない人は未だに多くいます。もし、その人が大学に行けていたら、もっと違う人生を歩めたかもしれない。それを僕は自分の力で克服しました。でも、そこまで出来ない人ももちろんいます。
私の話をすれば、田舎が鳥取というところで大学は国立の鳥取大学くらいしかありませんでした。文系も教育学部のみです。しかも、移動時間だけで1時間30分もかかるので、そんなところまで毎日実家から通学していたら、働く時間なんてほとんどありません。
そういった人達でも大卒の資格が取れるなり、勉強したいことが勉強できるような仕組みを創りたいですね。モバイル端末やウェブなどで既存の教育の仕組みにも内実な部分では負けていないものを作ること。それがうちの会社としての本当のミッションです。その変化を作ることによって日本だけじゃなく、世界の教育も変えられたらいいなとは思っています。
ただ、その道程として、今は色々なことをやらなければいけないですし、何よりも会社というものはお金についても考えなきゃいけないので、稼いでいったり出資を受け付けていったり、新聞にもちゃんと載ったりしていなきゃいけない。そういうことをやりつつ、我々のコンセプトである「学びのコンセプトはソーシャルラーニング」ということを唱え続けています。
「ドラえもんは起業家のためのネタの宝庫」です。
ところで、ドラえもんの歌は歌えます?
それですよ。起業家がやることってまさにそれなんですよ。ドラえもんなんですよ。私たち起業家はこんなこといいな、できたらいいなを実現するし、実現するものの参考事例としてドラえもんの出す道具とか、なぜそれが出てきたかということをストーリーとして具現化させているドラえもんは起業家にとって非常に教則本になると思います。
面白いのは、あの中で登場してくるいくつかの道具は実際に実現されているんです。
ぜひ一生懸命ドラえもん読んでみてください。
ただおもしろいということではなくて、今何になりたいのか、役に立ちたいなというマインドで読むドラえもんは素晴らしいですよ。