多様性こそクリエイティビティの源泉
株式会社カブク 代表取締役 / 稲田 雅彦
僕の場合は学生時代から考えていました。もともと祖父が大阪で商人をしていて、起業や商売に対してあまり抵抗感がありませんでした。そこから自然と起業を考えるようになりました。
飲食店などをやるならイメージはついたのですが、ベンチャーとしてこれまでない事業に関しての立ち上げはどうしていいのか全く検討もつきませんでした。なにより圧倒的にマーケティングの要素が欠けていたので、まずはマーケティングのプロになりたいと考えました。そこで、博報堂できっちり旗を立てようという思いで博報堂に入社しました。また、クリエイティブ業界には興味があって、0から1を作るという、学校では教えてくれないクリエイティブの領域に興味を待ちました。「まずはプロの世界でプロとしてやってみたい」という思いがあったため、卒業後すぐの起業は考えませんでしたね。
そうですね。でも、別に起業がゴールではないと思います。起業するしないではなく、何をやりたいのかを常に頭に置いておくことが重要だと思います。
準備に関してはずっとやっていました。なんの仕事をするにしても最終的に自分たちでやることを想定して取り組んでいました。例えば、学生時代でもイベントや展示会を開催する中で企画やマーケティングも学びました。その都度必要な知識や情報をつけていきました。
役立つか役立たないかでいうと、役立たないことってないと思うんです。普段やらないところに目を向けて勉強してみるなど、普段自分が関わらないようなことにも意識的に取り組んだりしていました。後ですべてが勝手に繋がっていくものだと思います。
「rinkak」は誰でも物が作れるようにするためのデジタルものづくりサービスです。個人・企業両方を対象としていて、商品開発ツール、製造・販売サービス、コミュニティサービスまで提供しています。また、ソフトウェアのサービスを作る方へAPIも提供しています。ポイントとしては単純に物を販売するだけのマーケットプレイスだけではなく、制作する上でハードルの高い3Dのデータ作成などが簡単にできるようなツールを複数提供しており、お子さんでも簡単に作成できるようなサービスもご提供しています。ワンクリックで製造ラインが立ち上がる製造クラウドサービスと、誰でも簡単に在庫を抱えず販売が出来るマーケットプレイスを含めて「デジタルものづくりサービス」としてご提供しています。
大学生の時から物やサービスを作っているなかで思いつきました。当時からPCが一台あれば物は作れたんですが、物作りっていうのは製造ラインの確保など、ハードルが高くて大変でした。そこで「ものづくりをもっと開かれた環境にするためになにかできないか」とこのサービスを始めました。