起業したら上手く行っちゃった起業家
株式会社オズビジョン 代表取締役社長 /鈴木 良
特に深い理由はありません。
私は、考える前に手足が動いてしまうんです。会社なんて紙切れ一枚ですぐできるし、名刺がある方が営業や下調べがしやすいじゃないですか。
会社を作らないとビジネスが行えなかったので、とりあえず先に会社を立ち上げてしまっただけです。 私の場合「会社は司法書士に頼めば作れるもの」という認識ですし、そもそも「よし!起業するぞ!」なんて無理に気負う必要もないと思っています。
2社目の起業では、インターネットの世界が盛り上がってきた時期であったので、ネット関連のビジネスを行うことに決めていました。とはいえ具体的に何をするかは決まっておらず、とりあえず企業名を考えることから始めました。
そして作った法人名が「WPC」でした。
「ワールド・プロローグ・カンパニー」の略称で「世界を獲る」という意気込みから名付けました。
今でこそ「はい、イタイです。完全に若気の至りです。」なんてネタにしてますが、当時は本気でしたからね。(笑)
その後、とりあえずWEB製作会社として事業を行うことを決めていきました。
「『まず行動』は大事だが、無計画にもほどがある」と語る鈴木社長
WEBスキルの心配よりも、まずは仕事を取ってこないと話になりませんから、営業活動を 始めました。
その後どうやって受注したWEB製作の仕事を行うか考えた結果、最初は他の製作会社に仕事を委託するなどしつつ、徐々にスキルを蓄えいくことにしました。
それと自分たちでSNSの立ち上げも行いました。当時は日本で初めてのSNSが登場した時期で、とてもSNSへの注目が集まっていたんです。だから私もSNSを作ることに躍起になっていましたね。当時はまだクローズドなSNSが一般的でしたから、クローズドだからこそニーズがありそうなジャンルのSNSを作ろうと考えていました。
そして思いついたのが、「ゲイ」の為のSNSだったんです。
いえ、運営していく中で予期していなかった様々な問題が生じることが分かり、残念ではありましたがゲイのSNSは1年ほどで終了することになりました。
SNSと同時期に登場していた「オンラインゲーム」が大人気になっていたのです。これが次の事業を決める上で大きな影響を受けましたね。無料でクオリティの高いゲームを何百種類も用意してユーザーに遊んでもらうのですが、オンライン上でコミュニケーションが生まれる仕組みになっており、コミュニケーションが生まれることでアバターが売れる仕掛けになっていました。
この仕組みを見て、私たちもゲームサイトを作ろうと思いました。
これが3度目の起業となり、ゲームサイトビジネスがオズビジョンの最初の事業となりました。
実は2社目の起業は、休眠会社を買うことで実現しました。私が買った休眠会社は有限会社だったのですが、これからオンラインゲームでより大きな挑戦をしていこうとしているのに、有限会社のままではカッコ悪いと思ったんです。自分で作った会社で大きなことをしたいという想いもありましたしね。
そうして新たに株式会社としてオズビジョンを創業しました。しかし、意気揚々とゲームサイト事業をスタートさせた割に上手くいかず、あっさり撤退することにしました。
事業の難しさを語る鈴木社長
ゲームサイト事業からの事業転換を考えていた時に、社員から「ポイントサイト事業が流行り始めている」という情報をもらいました。私はその話を聞いて、すぐにポイントサイト事業を始めることにしました。そして生まれたのが「ドル箱(現:ハピタス)」です。