あなたにとってのターゲットは?
株式会社インプレス 代表取締役 /山中哲男
株式会社インプレス 代表取締役
2015 ワールドアライアンス・フォーラム東京円卓会議 事務局長
2016 U3A国際会議実行委員
英国国立バッキンガムシャーニュー大学PR担当
特定非営利活動法人エイジコンサーンジャパン 事業推進部長
株式会社K.D.S顧問をはじめ、ベンチャー企業5社の顧問、経営アドバイサーとして従事。
1982年生まれ。高校卒業後、民間企業で1年間働いた後、20歳のとき地元兵庫県で飲食店を開業。2007年、25 歳のとき米国ハワイ州でコンサルティング会社を設立。海外進出支援、M&A、事業開発を行う。翌年、株式会社 インプレスを設立し、代表取締役に就任。アイデア(想い)を事業化することを専門とし、起業家育成、新規事 業開発支援をはじめる。33歳までの13年間で48以上の事業の立ち上げに携わる。著書に『立上力』『あったら いいなを実現するビジネスのつくり方』がある。
主に二つのことをやっていて、一つは新規事業立ち上げの支援です。企業が新規事業を立ち上げようと思ったとき、もしくは事業を立ち上げたけどあまり上手くいっていないときに事業の再構築をお手伝いしています。これがメインで行なっていることで、もう一つは起業家の支援です。これから起業したいがサービスや商品の作り方がわからないという方たちに起業のプロセスを教えています。簡単にいうと企業であれ、個人であれアイデアを事業化することのお手伝いをしているという感じです。
そうですね。社会人からの起業や学生起業など多くの人と関わっています。 起業家支援を行っていて、事業の目的が「自分」ベースになっていて、自分が儲けたい、自分の会社を大きくしたい、自分が好きだから、という方が多いとよく思いますね。どれも間違っているとは言いませんが、誰に何を提供して儲けるか、会社を大きくするか、または自分の好きを通じて誰に喜んでもらったり問題解決をするかが見えていないと、事業としては上手くいきません。
事業を行う際にはターゲットがいて、そのターゲットが喜ぶ手段としてサービスや商品がありますよね?この一連の流れは絶対につながっていると思うのですが、それを考えていない人があまりにも多い気がします。漠然と「これを10年やってきたから独立してみよう」と事業目的やターゲットがぼやっとしたまま起業する人が多いです。
例えばコーヒーで考えると、誰もがおいしいコーヒーを作ることって難しいですよね。濃い味が好きな人もいればあっさりした味が好きな人もいます。ターゲットを明確にすることはプロモーションのためにも重要なんです。すごく美味しい濃い味のコーヒーを、漠然と「美味しいコーヒー」と表現するとどうなるか?そのコーヒーを濃い味が好きな人もあっさりした味が好きな人もどちらも手に取るんですよ。あっさりした味が好きな人はそのコーヒーを飲んで何というか?「不味い」と言うんですね。なのでお客さんの顔を思い浮かべることってすごく大事なんです。そして、それをベースに言葉も発信しないといけません。
僕は起業したいと言う人にあったらまず「なんで起業したいの?」と聞いて、そして「誰が喜ぶの?」と聞きます。この辺りが漠然としている人はうまくいきません。「コーヒーが好きな人」と答える人もうまくいきません。なぜならターゲットが広すぎるから。誰に喜んで欲しいのかを明確に考えられていないものって結局誰にも選ばれないんです。
僕は一個人にまでターゲットを落とし込みます。その人の名前が見えるぐらいまで具体的に考えますね。一番最初の事業立ち上げの時期って一人のコアなファンを作ることが大事だと思うんです。最初の広告費が出せないときに何が必要かっていうとコアなファンからの派生なんですね。100人の浅いファンより1人のコアなファンを狙います。そしてその人がリピートする仕組み、口コミしやすい仕掛けを作って、一人から二人、二人から三人と派生していく戦略を必ず立てます。