心を開くことが、相手の心を開くことに繋がる
株式会社KoLabo / 駒崎クララ
兵庫県神戸市生まれ。
父と母のもと5歳から10歳まで、32フィートのヨットで世界中を家族だけで航海して過ごす。
海外の人々と触れ合い土地土地の文化を肌で感じる。
この海外生活の経験を活かし、約7年半アシアナ航空で客室乗務員として勤めた後、
2012年2月10日に株式会社KoLaboを創業。代表取締役社長に就任。
現在は株式会社KoLaboにて客室乗務員向けSNS「CREW-WORLD」の
運営と共に経営者向けコーチングの普及に努めている。
2013年5月現在、「CREW-WORLD」のリニューアルへ向けての開発を進めている。
会社を経営していて、客室乗務員と元客室乗務員専用の情報共有サービスのCREW WORLDを1つの事業としています。CREW WORLDは、客室乗務員が、気兼ねなく他の乗務員経験者に質問し、現地情報をシェアすることが出来ます。あらゆるカテゴリーの掲示板を用意しており、ユーザーがトピックを立て、そのトピックに別のユーザーがコメントを記載し、交流を行います。サービスは完全招待制で、既存ユーザーからの招待を受けた後、審査を経て利用可能になります。サイト上では個人は特定されないようにユーザー名などは表示していないので、安心して利用できます。現在、日本語が話せる客室乗務員は約3万人いますが、まずはその中の1万人に利用してもらう事を目指して運営しています。
CREW WORLDを立ち上げた理由は、客室乗務員同士の会社の垣根を越えたコミュニケーションができる場が欲しかったからです。私は、客室乗務員を7年半していました。フライトでは、1ヶ月に3回程度、ドイツに行くのですが、滞在の度、同じ場所にばかり行っていると、なかなかリフレッシュできませんでした。また、滞在先で現地の航空会社の乗務員と出会っても、なかなかコミュニケーショの時間を取ることができませんでした。 インターネットを活用した匿名で安心できる情報共有サービスでその課題を解決したいと思いました。CREW WORLDでは、サイト内で知った情報から次回のフライト先で初めての場所へ訪ねてみる、そんな些細な事から、日々のモチベーションを高めるサポートが 出来ればと考えています。
私にとって起業に至るまでの道のりはとても自然な流れでした。私の起業家としての原点は父親の存在です。父親はどんな時も自分の好きなことを仕事にしてきました。幼い時からそんな父の姿を見て育った私は,自分の好きな事へ向かって進んでいく時のワクワクを肌で感じました。起業へのきっかけは、3つあります。 1つ目のきっかけは、私が5歳の時に親子3人して、フランスから日本へ4年がかりでヨットの航海をした経験です。地中海からカリブ海へと大西洋を横断していたある日、大きな海の中で「ここにいても何も社会に貢献していない自分がもどかしい」と私は感じました。「いつか自分の生み出したサービスや商品で社会に貢献したい」と考え、その時には起業という選択肢が一つ出来ていたように思います。子どもの頃のいつでも自由を手に入れられる生活が、私に与えた影響はとても大きいと思います。 2つ目のきっかけは、子どもの頃のある出来事からモチベーションに関心を持ったことです。何かを始める時、続けている時、達成できた時など、モチベーションが常に影響を及ぼしていますが、モチベーションをベストな状態で保つことはとても難しいと感じています。起業家という立場に身を起き、モチベーションを保つことの難しさを体感しながら、モチベーションへの関わり方を生涯研究したいと思っています。 3つ目のきっかけは、寛大な心でサポート頂ける社会の先輩方の存在です。起業へチャレンジする人への温かさが起業家になる私の背中を押して頂いたと思っています。客室乗務員という全くの異業種から、インターネット業界での起業と大きく舵をとる私へ、たくさんの先輩方からアドバイスを頂けることが、私の活動の追い風となっています。
とても楽しかったです。今の活動のベースには航海していた時の経験が大きく影響していると思います。その為か、起業に対する怖さは、全然なかったです。航海に連れて行ってくれた父には今でもずっと感謝しています。潜って貝を採り、魚を釣り上げ物々交換したり、売買で手に入れた貨幣で生活雑貨を買ったりと、今とは全く異なる環境で生活していました。
垣根なく、人と接することができることです。航海していた時には人種、文化が異なる人とたくさん出会いました。異なる価値観があって当たり前だから、「その価値観を自分なりに解釈するのではなく、ただありのままを認める能力」は、小さい時の経験のおかげで、身に付いたのかなと思います。