やりたくないことはやらないほうがいい
中小企業共和国理事長、ブランドファーマーズインク代表取締役 / 安田 佳生
ステージによって違いますが、最初のステージで言えば「粘り強さ」。みんな作ってダメだと、すぐに違うサービスや商品を変えていきますが、作ってすぐに売れるものはなかなかありません。その商品の良さを粘り強く伝えていく努力をしなければなりません。絶え間ない努力が成果を生み、固定的な顧客獲得へ繋がるのだと思います。
次の段階で言えば、「会社の理念」。会社を経営していく上で、社員や顧客など人との繋がりは深く関係してきます。その中で、周囲に自分の理念や想いに共感してもらい、いかに巻き込んでいけるかという点が大事です。逆に言えば、会社の理念さえしっかりと持っていて、周囲に上手く発信できていれば、事業が軌道に乗るのも早いですよ。
一つは、僕がこれまで何をしてきて、何が原因で会社が潰れてしまったのかという経緯を報告しようとする想い。これまで多くの経営本を書いてきて、幸いにも多くの方に読んでいただけたので、会社の最後に関してもしっかりと報告する義務を感じました。
もう一つは、「二度と社長をしない」という宣言ですね。今でこそ、「また社長をやろう」と思い立ちましたが、当時は疲弊してしまい「二度と社長はやるものか」と心に強く決めていました。
時間が立った今、冷静に当時を振り返られるようになったことですね。確かに社長業は資金繰りなどで大変苦労しましたが、その一方で感謝するべきこともたくさんありました。社長という責任を伴う仕事は自分自身を大きく成長させましたし、何よりも色んな人にめぐり会えました。こんなにやり甲斐があって感謝のできる仕事は‘社長’しかないと。それに、まだ49歳という若さで何もしないで居る方が、あとで絶対後悔するじゃないですか。もう一度社長になることは、少し勇気のいる決断でしたが、今は新たな挑戦に胸が燃え立っています。
大学生時代は、本を読んで過ごしていましたね。海外の大学に通っていて日本語に飢えていたものですから、日本に住んでいた頃よりも、読書に没頭していました。海外で日本の本は非常に高価だったので、実家から本を数冊送ってもらい、本がボロボロになるまで何度も読み込んでいましたよ。そしたら、海外で全く日本語の読み書きをしていなかったにも関わらず、帰国したら文章が上手くなっていました。(笑)
受験勉強をしたくなかったからです。周りの受験生が必死になって勉強しているのを見て、これはやりたくないなと。(笑)海外の大学は日本よりも入る難易度が高くないので、「それなら海外の大学を」と思ったわけです。僕の人生のモットーなのですが、「やりたくないことはやらない」。海外の大学を選択したのも、その一つの例に過ぎません。