人間らしく豊かな暮らしを考え直したい
株式会社meguri 共同代表取締役/田村 真菜
インターンの大学生が起業家へ取材する!起業家インタビューのthe Entrepreneur(アントレプレナー)
国際基督教大学教養学部卒。
20歳よりポータルサイトのニュース編集者を務める傍ら、日本ジャーナリスト教育センター設立に従事し、情報発信スキルトレーニングに携わる。
2011年に社会起業家育成を行うNPO法人ETIC.に参画。
広報・求人メディア立ち上げなどを通して経験を積む。また2012年より狩猟分野でも活動をはじめ、いのちの循環を感じるワークショップや情報発信を実施。
2015年に”HOLISTIC DESIGN COMPANY”として株式会社meguriを設立し、いのちや暮らしを支える実践者・専門家をサポートしている。
セラピストとしての顔も持ち、経営者やソーシャルリーダー、精神的な悩みを抱える人のからだを整えるアプローチにも取り組んでいる。
今の事業は、コンサルティングをメインに行っています。クライアント様の業務をもっと円滑に進めるための業務改善や、広報戦略立案。ウェブやパンフレットなどのコンテンツ作成、イベント事務局などが主な仕事になります。最近は、自分の好きな狩猟分野の広報や人材育成のお手伝いをしていることが多いですね。
私も、もう一人の共同代表の杉本も、人材育成や起業家支援をこれまで行ってきたので、来年からはその経験を生かしてこれから起業しようとしている人をサポートする創業支援の講座を開催しようと思っています。「隣の人を幸せにしたい」と考えているような想いある方の創業支援は、力を入れていきたいと考えています。
現在はコンサルの仕事をしているものの、最初からコンサルになりたいという気持ちはありませんでした。名称よりも、「自分がまわりの人たちにどう役立てるか」を考えるのが先なのかなと思います。例えば、私は震災復興支援の仕事をきっかけに「狩猟」と出会って解体ワークショップなどの活動を始め、今では猟師さんたちと仕事をする機会も増えています。
実際に狩りをするといった体力的な面では女性の私にはハンディもあるけれど、情報や課題の整理力であったり、広報の経験であったりは、猟師さんたちに対して自分が役立てそうな部分でした。それを公的にはコンサルタントと名乗っていますが、猟師さん達からはシャーマン扱いされていますね(笑) 相手ありきで、「身近な人に対して何ができるか」というところから事業が始まっていることが多いです。
狩猟の産業化に向けて、みんなで解体施設の見学・検討
高校の時はコンビニバイトや、アパレルの店員、ヘアショーのモデルなど、自分の体を使った立ち仕事をしてたんですが、「次は知的労働で座って稼げるようになりたい」と考え、大学1年からニュース編集を行う仕事につきました。派遣社員として週4で働き、仕事ばかりしていましたね。ニュースの仕事は朝が早くて6時半に出社、15時くらいまで働いてから大学に行き、その後は夜まで授業を受けるという生活でした。
親が自営業で収入が不安定だったので、「お金を稼がなきゃいけない」という想いも強かった。それはもうすごい必死で、大学在学中は2、3時間睡眠が普通で、過労で血を吐いたこともあります。あとは、大学時代にジャーナリスト教育を行う一般社団法人を他の人たちと一緒に立ち上げて、学生運営委員長をやっていました。
起業を決める前に、前職の仕事を辞めると決めたのが先でしたね。
社会起業家支援を行っているNPOに勤めていて、震災から3年間はそこの復興支援事業にコミットを決めていましたが、「3年たったら、次にやりたいことを考えなきゃな」と当初からうっすら考えていました。4年目になり、経営管理部で人材メディア事業などをまかされ、一番早くにオフィスに来て一番遅くに帰るような生活をしていましたが、狩猟をはじめ仕事以外のやりたいことも増えていて。NPOのビジョンに自分の精神的なエネルギーの全てを捧げられないのは、関わり方として失礼だと考え、辞めることを決めました。
いくつか転職のお話も頂いたのですが、どこに転職しても3年くらいはお手伝いできそうだなと思えても、20、30年とそこに勤め続ける自分のイメージは湧かないんです。ならば、「独立して、自分のやりたいことを形にしていくしかないかな」と考え始めました。たまたまそのタイミングで杉本と出会い、一緒に起業しました。
おいしそうな人。いいエネルギーがある人です。一生懸命やる時はやるけど、自分の暮らしや体のことなどもバランスを取れる人がいいかと思います。