やりたくないことはやらないほうがいい
中小企業共和国理事長、ブランドファーマーズインク代表取締役 / 安田 佳生
それは騙されていますよ。嫌なことに立ち向かった先には何もありません。それより自分が好きなことをやっている人間の方が何倍も楽しんでいますし、何億円も稼いでいます。もちろん、努力することは大切だと思いますが、嫌なことを我慢して、立ち向かっていくというのは何か違うと思いますね。自分がやりたくないことをせずに、自分がしたいことを良い環境でどれだけ実現できるか。これに向けて努力をするのが正しい在り方。ここを履き違えてしまうと、自分の努力が報われずにただ苦しむだけですね。
やりたいことがなければ、見つけようとしても見つからないんじゃないかな。大事なのは、やりたいことがあるかどうか。例えば、本を書こうと思って、書く人は何も書けないですよ。書きたいことがあるから、本を書く。それと同じで、やりたいことがあるから事業をする。やりたいことがないというのは、「金持ちになりたい」というような私利私欲的なことですよね。私利私欲的な出発だと事業は長続きしません。もしどうしても自分が何をしたいのか考えたいのであれば、僕のようにやりたくないことを突き詰めていく。僕の場合は、満員電車での通勤や会社に雇われるのが嫌で、社長という選択肢に辿り着きました。
起業するための資金を蓄えようとしたからです。僕はリクルートに入社したのですが、その企業を選択した理由も「給料が高い」という単純なものでした。就活に関して言えば、僕は企業に入る目的が資金と明確になっていたので、給料が高いという基準で製薬会社とリクルートしか受けませんでしたね。
決してそうではありません。僕の場合は、起業した先輩が「起業する前に2年程、会社で務めた方が良い」というアドバイスがあったので、一度会社へ入りました。そこでの経験が、起業する上で役だったという感触はありましたが、それは人によって異なってくるはず。知識や経験が増えたがゆえに「これは無理だ。出来ない。」と現実を直視してしまい、挫折するケースだって中にはあります。やりたい事業があればすぐに起業して、それがなければ企業に入って模索すれば良いのではないでしょうか。
僕は企業に属する方がハイリスクだと思いますよ。企業に属するということは、誰かが操縦する飛行機に乗っていることでしょ。もしかしたら、その操縦士が操縦ミスをしてしまって、飛行機が墜落する可能性だってある。それに今の時代思いがけない嵐に巻き込まれることもあるから、企業が安全だって保障はどこにもないわけですよ。それだったら、僕は自分が責任を持って、自由に操縦する道を選びますね。
中小企業のブランディングに貢献することですね。周りを見渡してみると、どこの会社も画一的で面白みに欠けていると感じるんです。そこで、僕が中小企業へアドバイザーとして参入し、企業の差別化を進めていけたらと思います。具体的には、企業がどのような商品やサービスを作りたいのかというか過程を一緒に考え、さらにそれらをどのように伝えていくのかという方法を考えることですね。
報酬という見返りではない仕事をして下さい。バイトのような仕事は、労働時間=報酬であり、単に自分の時間を売っているのに過ぎません。それだと、仕事が苦痛で仕方ない。自分が楽しいと思える仕事をする。それが本来の仕事であり、自分の人生をより快適で有意義なものにさせてくれるのだと思います。
あと、物事を深く考えるようにして下さい。経営者を見ていても、二通りの経営者が居ます。物事をしっかりと考えている経営者と何も考えていない経営者。大きな利益を生み出したいのであれば、前者の経営者を目指すべきです。今の内から、物事を深く考える考察力や洞察力を身につけておくように、心がけておくのが大事です。