失敗と主観からみえたプラットフォームの在り方
Peatix Inc. / CEO 原田卓
「ライフスタイルチョイス」だと思います。
起業に伴う自由やリスク、危険性、プレッシャーをすべて含めて、そのライフスタイルが自分に見合っているのかどうか、本当に望んでいるのかどうかというのが、一番大事じゃないですかね。起業家だからといって偉いわけでもなくて、一つ決めたことをずっとやって、積み上げていく生き方も等しく尊敬されるべきだと思います。
つまり、マーケットの問題を解決する情熱も大事なのですが、最初に考えなきゃいけないのは、良いことも悪いことも含めて、起業というライフスタイルを自分が望んでいるか、それに耐えられるかということを、第一に考えなければいけません。酷い環境に生まれて起業しか選択肢がなかった人で、成功している人がいるのをみると、起業家精神は、そういう人生を歩む覚悟のように思えます。
少し「馬鹿」であることです。
起業家にも色々なタイプがいますが、ロジカルに計算ができてしまうような、頭の良すぎる人はあまり向いてないと思います。むしろアホっぽく「やっちゃえ」という思いっきりの良さが大事だと思います。
やはり「伝える力」だと思います。
ただ単に会話術なのか、書く力なのか、両方なのか、あるいは人を引きつける魅力やパワーなのか、いずれにせよ、その人を説得する力が必要です。結局、起業は1人ではできないことなので、『こうなるんだ』という未来像で人を引き入れなければなりません。信じてもらうためのアプローチは人それぞれだし、色々あると思うのですが、共通するのは人を引き入れる能力だと思います。
私は、アーティストの元で育ったり、アメリカと日本で色々な人に会って会話してきたのもあって、ビジネスのロジックを言語化するよりは、『こういう世界になる』という想像を伝えることに長けていると思います。すなわち、「環境」が伝える力を醸成するのではないでしょうか。本をたくさん読む、映画をたくさん見る、いい音楽をたくさん聞く。こうしたところから始めてみてはいかがでしょうか。
先ほどの話の繰り返しにはなりますが、決して起業することが”偉い”という勘違いはしないようにしてください。あくまでも起業は選択肢の1つであって、自分のライフスタイルチョイスなので、やらなければいけないという情熱があるのであればやる、一方で起業しない選択肢もあるということをよく考えてほしいと思います。起業は、やはり人を傷つけたり、何か犠牲にする可能性がすごく大きいので、そこはしっかりと考えてみてください。