創業支援のプロが語る、失敗しない起業家とは?
株式会社MMコンサルティング 代表/上野光夫
インターンの大学生が起業家へ取材する!起業家インタビューのthe Entrepreneur(アントレプレナー)
株式会社 MMコンサルティング 代表取締役・中小企業診断士
1962年鹿児島市生まれ。九州大学を卒業後、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公 庫)に26年間勤務し、主に中小企業への融資審査の業務に携わる。3万社の中小企業への融資と、5千名の起業家への創業融資を担当した。融資総額は2,000億円にのぼる。 2011年4月にコンサルタントとして独立。起業支援コンサルティング、資金調達サ ポートを行うほか、研修、講演、執筆など幅広く活動している。
日本最大の起業家支援プラットフォーム「DREAM GATE」において、アドバイ ザーランキング「資金調達部門」で3年連続して第1位に輝く。
著書に
『3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則』(日本実業出版社)
『起業は1冊のノートから始めなさい』 (ダイヤモンド社)
『「儲かる社長」と「ダメ社長」の習慣』 (明日香出版社)
『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない』(フォレスト出版)
がある。
株式会社MMコンサルティング:http://mmconsulting.jp/
事業内容は資金調達コンサルタントです。私のお客さんの7割はこれから起業する人です。あとは中小企業で何年も経営されている人で、融資の受け方を相談したいという人や、経営が厳しくなってきている際の融資の受け方を訊きにくる人が多いです。倒産寸前の人も相談に来る事があります。倒産寸前の方は、いくら融資を受けようとしても無理なので、抜本的な事業改善の手伝いをすることもあります。
さすがに学生は少ないですが、20代前半で起業されたいという人は多いです。若い人は起業に関する知識をあまり持たない人も多いので、融資だけでなく、起業するための具体的な道筋を立てることから手伝う事もあります。
学生時代は、チャランポランに過ごしていました(笑)。一応水泳部に入っていましたが、パチンコに行ったり、麻雀をしたりして遊んでいるようなタイプでした。普通のサラリーマンになるのが嫌で、公認会計士を目指していた頃もありました。前職の日本政策金融公庫に新卒で入った理由も、「給料が良くて仕事も楽そう」だと思ったからでしたね。当時は別に起業家に創業融資をしたくて入った訳ではなかったんです。むしろ何をしている会社なのかも良くわかっていないまま入社していました(笑)。
起業したいと思うようになったのは、30歳の時に1年間、中小企業診断士の研修に参加した事がキッカケです。研修では当然、中小企業診断士の先生の話を聴く機会が多かったのですが、その話を聴いていて、自分にも同じ事が出来るんじゃないかと思うようになりました。なんとなく自分も独立してやっていけるような気がしたんですね。
むしろ、起業はするべきではないと思っていた時期もありました。前職の日本政策金融公庫では長年創業融資という仕事に携わっていましたが、私の場合、融資の返済が滞ってしまう人ばかりをたくさん見てきたので、商売の厳しさはものすごく感じていました。
能力的に起業できると思ったこともあるのですが、何より起業している人は皆イキイキとしていたことに魅力を感じていました。何年もかけて徐々に起業に対する気持ちが強まっていき、2008年9月頃のある日、突然起業を決意していました。2011年4月1日に必ず独立しようと日付けを決めて、「その日に何があっても独立する」と決めていました。起業を決めた日から独立するまでの期間は、起業に向けた準備をしっかりしようと考えていました。
良かった事は、自由に自分のやりたいようにやれる事ですね。サラリーマン時代は必ず出社時間を守って出勤し、定時までは必ずオフィスに居ないといけませんでしたし、周りからあれこれ言われる事が当たり前でしたが、そういった事が全て無くなった開放感は最高です。
大変だった事は、自分で何から何まで全てやらなければならないという事です。社員を雇ったとしても全てやらないといけないという事は同じで、結局経営者というものは、様々な事をする必要があるのです。その部分は大変だと感じます。