起業家が増えないと国は活性化しない
株式会社幕末 代表取締役会長 / 明石智義
そうですね。周りの友だちは、大企業志向だったので、こういう起業という生き方があるんだよってのを純粋に伝えたい気持ちがありました。当時の名前が「フロンティア」です。
0から自分たちで作成したので、赤字でした。今思い返しても、もの凄く大変でしたね。これも収益化が出来ず、再び諦めようと思いました。
しかし、また転機がありました。当時は、渋谷がビットバレー(渋い=ビター、谷=バレー)と呼ばれていた、ネットバブル時代でした。シリコンバレーを渋谷に作ろうとしていたのですね。そこで独自のネットワークが醸成されていて、その中でビットバレーメーリングリストをいうものがありました。そこで、フロンティアの説明にそれを使わせていただきました。
すごい反響がありました。40人程の経営者から、返事をいただきました。その中の一人から、「読者の学生の層を調査して、どういう学生にアプローチしているか明確にすれば、お金を出してくれる企業はいる。そのお金を使って、フリーペーパーでやればいい」というアドバイスをもらいました。そこで誌名を「ベンチャー通信」に変更して、再スタートを切りました。
そうして言われるままやってみたら、うまくいったんですね。学校に忍び込んで、食堂に置かせてもらったり、構内で配ったりしましたね(笑)。
フリーペーパーだけではなく、ベンチャーの社長さんをゲストに呼んでイベントをやったり、学生団体の代表だけを呼んだイベントなんかもやったりもしましたね。その後卒業するまで、これらの活動を精力的に行いました。
そうですね。「ベンチャー通信」の事業をNPO法人にして、やっていきました。初めは採算が合わずに、非常に苦労しました。ただそこから、今のビジネスモデルにたどりつき、売上が立ち始めました。
特に工夫したということはないと思います。お金を使わずに、自分たちができるところを少しずつ開拓していたのが良かったと思います。
現在はニッチなビジネスモデルを選んだので、売上が立っている状態だと思っています。しかし、逆にいうと既存のビジネスモデルのニッチな部分であるから、市場が小さいとも言えます。だから今後、どういった成長を描いていくのかが重要だと思っています。私は取材を通して一流の経営者や起業家の方々に会う機会に恵まれてきたので、今後彼らに近づきたいという想いはあります。
主に三つあると思います。
一つ目は、「根がピュアな人」です。表面的に性格が多少悪くても、ひねくれていてもいいと思います。しかし、最後に人を信じているような根がピュアな人が多いですね。そういうのは、顔つきや雰囲気で大体感じることができると思います。
二つ目は、「頭がいい人」です。結果的にみて、優秀な人が勝つんですね。とりわけ、本質を見抜く能力が大切です。彼らは、複雑な事象の中から、本質を瞬時に捉え、シンプルにモノを考えられますね。
三つ目は、「運がいい人」です。勝負所で、運がいいですよね。しかし、これは一つ目と二つ目とリンクしていると思います。その2つが身についているからこそ、勝負所で、運が傾いてくるんでしょうね。