起業家が増えないと国は活性化しない
株式会社幕末 代表取締役会長 / 明石智義
それは、昔から大体わかりますね。細かい仕草や、場面でそういった部分が如実に出てきますから。
それに、一流の経営者は言葉が本当に正確なんですよね。話していても、言葉ひとつひとつに重みがあると実感します。そういう時は「この人じゃないと吐けない言葉だな」と噛みしめて、私の中で、かけがえのない言葉になります。
そういう言葉に出会ったときは、大切にしてほしいです。まさに「生きた言葉」だと思います。
やはり0から起業して、世界を変えていくっていう生き方に非常に惹かれるんですね。一流の起業家の方々は本当に魅力的です。「慎重なのに大胆」や「理性が強いのに、感性もある」、「主観的かと思ったら、客観的」「情熱的なのに、冷静な部分もある」といった、本来二律背反する事象が、個人の中に同居しているんです。しかもそれは、どっちも「真」なんですよ。一般の人がどっちかを取るところを、両方をとってしまうんですね。だからこそ、意外性があるし、それが一流たる由縁だと思います。
簡単に言えば、「自由」であるということですかね。経済的にも、時間的にも、選択の自由もあります。
しかし、その自由に依存してはいけないと思います。まだまだ、挑戦できるし、まだまだ成長できると思います。そういう面では、自分がやっただけリターンがあるし、自分にストイックになれるという点も魅力だと思います。私自身、ニッチなところで完成度の高いものを作ってきたというポジショニングをとっていると自負していますが、まだまだと思っています。会社内の課題もありますし、ビジネスモデル自体も変えていかなくてはいけないと思っています。
最近感じるのが、起業家の色が変わってきた気がすることです。起業家のタイプが二種類いるように感じます。
一つは、日本だと孫正義氏や澤田秀雄氏のような経営者タイプです。彼らは、人間力に優れ、ガッツがあります。
一方もう一つは、シリコンバレーで多く見られる「ITの力で世界を変えていってしまう」タイプの起業家です。このタイプが日本でも増えてきた気がします。自分がどちらに当てはまるか、うまく見極めて欲しいです。
その通りです。後者のタイプが最近日本でも増えていますが、それは時代の流れだと思います。しかし、彼らにはプラットフォームを作ってほしいと思っています。プラットフォームを作るには、経営力が必要だと思います。
現在の若い人の起業の多くは、ガッツというよりはアイデア・スピード勝負という側面を感じます。もちろん、それも時代の流れとして、大切なことだと思います。それがないと世界では勝負できませんからね。ただ、アプリやネットサービスで終わらない大きなプラットフォームを作ってほしいです。そのためには、経営力や人間力は欠かせません。時代の流れに乗りながらも、先人が残し、時の洗礼を受けた経営力や人間力も大切にしてほしいです。
かという私も挑戦者です。一緒に頑張って行きましょう。