起業家が増えないと国は活性化しない
株式会社幕末 代表取締役会長 / 明石智義
今回取材させていただいたのは株式会社幕末の代表取締役会長の明石智義氏です。
慶應義塾大学商学部に入学後、多数の団体の立ち上げを経験する。在学中に現在の「ベンチャー通信」の前身である、様々な起業家を紹介するフリーペーパーを創刊する。学生時代は、多数の学生団体を巻き込んだイベントを打ち出し、成功させる。卒業後は、「ベンチャー通信」を主事業とするNPO法人を経て、株式会社幕末を設立。現在フリーペーパー事業だけではなく、Web事業や出版事業など幅広く事業を拡大している。
「ベンチャー通信」を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?何百人もの起業家と接してきた明石氏だからこそわかる起業家の魅力。そして、起業の魅力について伺ってきました。
ありがとうございます。起業家が増えないと国は活性化しないと思っています。世間一般では、起業やベンチャーは否定的に見られる側面があると思うのですが、そんなことをしていたら日本は先細りだと思います。経済には新陳代謝は必要不可欠です。もちろん大企業も大切な役割を担っていますが、「ベンチャー通信」を通じて、起業やベンチャーの良さを世間に伝えられているのは、誇りですね。
そうです。大学2年生の夏にさかのぼります。大学時代は、いろんなことに手を出していましたね。
もともとは、文学者とか思想家になりたかったんです。私は歴史が好きで、司馬遼太郎のように歴史学から学んで、時事問題を語るようなことをしたかったのです。つまり、歴史を研究するだけではなく、実践者として世の中を変えたかったんですね。そこで文学部を志望していたのですが、受験の結果、慶應の商学部に入りました。逆にそれが転機になりました。
実家が商売をやっているということもあり、商売というものが身近というバックグラウンドがありました。そこで商学部にも入ってるし、大学時代に何か商売とやってみようと思いました。そして、インターン斡旋や慶應のキャンパス誌を作ることを始めとする、慶應アントレコミュニケーションという団体を立ち上げました。これが2年生の夏ですね。
私の好きな言葉に「知行合一」というものがあります。知ると行動することは、すなわちひとつという意味です。行動を伴わない知識は無意味だと思い、私を突き動かしました。学校の近くに、マンションの一室を借りて、団体のメンバーと住み込みで活動しました。
いえ、なかなかうまくいきませんでした。半年くらい頑張ったのですが、団体として、目に見える成果は出せないでいました。このまま終わらせようと思っていたその時ですね。私は、学外のセミナーやイベントに顔出す機会が多く、起業家に会う機会が多いということに気づき、その起業家を取り上げた媒体があったらおもしろいというアイデアを思いつきました。
その当時、孫正義氏などの本を読んで、起業家という生き方に感化されました。幕末の志士たちに通ずるものを感じたんですね。立場は違えども、社会を変えるために挑戦する姿に心打たれました。私も起業家として生きていこうと思うようになりました。