演じる力
有限会社ミライズ / 営業シナリオライター / 片岡隆太
営業が苦手な人も「営業は暗記でできる」をコンセプトとし、 それぞれの「想い」を紡ぐ文章を構成するシナリオライター。
大手生命保険会社入社後、営業職員さんとの営業活動に取り組むも、 当時の営業スタイルに馴染めず、大苦戦する。
その後、会計士を志し会計事務所に入社するも、別会社の保険代理店に配属。
その時、目からウロコの営業スタイルを経験する。メンタルが強化され、ネガティブな要素も外れ、2年半という短期間の間に9億円もの保険料を獲得。
日本の全生命保険営業マンのTOP40に入賞する。(MDRT TOT入賞)
その後、有限会社ミライズを立ち上げ、 数々のマーケティングスタイルを確立。
「想い」のない段階で闇雲に訪問し、ノーと言われ続け、自信をなくしてしまい、 数がこなせなくなるという、営業マン負の連鎖に待ったをかけるべき奮闘中。
提供するサービスは多岐にわたり、営業トークの台本化、TELアポスクリプトの構築と指導、DM などの製作・構成、自己紹介チラシの構成、思いのこもった自己紹介文章の構築など、さまざまな業種・業態向けのセミナーなどで、全国を家族同伴で飛び回る。
はい。「営業シナリオライターの片岡」です(笑)。社会に出てからのお仕事が、ずっと営業で、今ではたくさんの営業マンを前にしてお話をさせていただく立場なのですが、僕は元々、営業が得意だったわけではないんです。今でもとても人見知りで、新しい出会いを求めて社交的に振る舞うことが苦手です。 そんな僕が、保険の営業マンの分野ではあるのですが、日本のすべての保険営業マンのTOP40人になることができたのです。
そのきっかけになったのが、大手生命保険会社から転職した保険代理店の営業手法との出会いだったのです。それは、売れる営業トークを作り上げ台本化し、そのトークの一言一句を暗記して、営業先で「演じる」というものでした。この台本は僕が作ったわけではないのですが、全く売れなかった営業マンだった僕にとっては、衝撃的でしたね。「相手のことを考え、構成がしっかりした伝わるトークであれば、こうも簡単に営業ってできるんだ!」ってね。すぐれたスピーチにも、感動する映画にも、大爆笑なコントにも、必ず台本が存在するでしょ。その営業版が「営業シナリオ」、それをクライアントと一緒に創りあげるのが、「営業シナリオライター」です。回りくどくなりましたが(笑)
最近では、上場企業の企画部が発行するトークスクリプトというお仕事から、合コンでの自己紹介とかアーティストがファンクラブで新しい取り組みを発表するときのトークといった依頼などもいただいています。
決して、人と話すことが嫌いだというわけではないと思いますが、新しいところに自分から進んで入っていく、ということは今でもあまりありません。一人でおしゃれなカフェに行くなんていうのも、したことないかも(笑) 営業で言えば、「押し付ける。」とか、「どうしても売る。」とか、「目標必達!」というようなことが苦手です。僕が大学を卒業した頃は、まだまだこんな営業教育がされていましてね、15年ぐらい前のことです。目の前のノルマは必達せよ!の時代ですから。当然ながら少し無理な営業もしなければならない。
締切間際には、夜中の10時から会議がスタートして、「今からどこに行って保険をとってくるんだ」なんて追い詰められるようなこともありました。
当時は、どうしても、営業して結果を出すための大義名分が見つかりませんでした。当然、結果が残せず、やる気も起こらず、前途絶望で、たくさんの友達にも嫌がられていたと思います。「こんな厳しい会社で一生働くのは無理だっ。」と思う日々で仕事をしていました。会社も嫌い、仕事も嫌い、自分も嫌いの三拍子。大嫌いでやりたくない、と思いながら会社に通う日々でした。
理由は、それだけではないのですが、「営業」とくに保険関連の会社に再就職するつもりは全くなかったのです。これになじめずに、保険業界を去ることにしたのですから。そして税務・会計の仕事をするつもりで、会計事務所に入社したのですが、その会社が、「会計事務所系の保険代理店」を別事業で持っていて、なんとそこに配属になっちゃったんです。
その会社に入社した初日のことは今でもはっきり覚えています。ドキドキしながら、上司の指示を待っていたら、開口一番「片岡さんには、資料送付をしてもらいます。」と言われたんです。「送付する資料の糊付け作業かな?よかった〜!」何て思っていたら、目の前に「ポン」ってリストを置かれましてね、「片岡さんには、このリストの中にある企業に資料送付許可の電話をしてもらいます。」と。
今度のお仕事は、見込み客探しの電話営業。まさに「騙された!!」ですよ(笑)。月曜日に入社して、金曜日には人材バンクに駆け込んでいました(笑)
結局、この会社には3年半お世話になりまして、電話営業のことも、さっきお話をしました台本トークを元にした営業手法のことも勉強させていただきました。どちらの仕事も、自分の得意分野のではないと思っていたのですが、不思議なものですね。スティーブジョブズ氏も話していますよね。「点と点を結びつける。」、先を見越して、点と点をつなぐことはできないけれど、振り返ってみたらすべてが明確につながっている、ってね。社会人になって約20年ですが、実感できます。
2つのきっかけがあります。私は観葉植物を育てるのが好きなのですが、ある日、その後ろ姿を見ていた妻が「育てるとか、教えるとか、育成することに向いているんじゃないの」と言われてね。この一言がきっかけで〝教える〟とか、〝仲間で〟とか、〝共に〟とか、そういうことなら惜しむことなく努力ができるんじゃないかと思いました。天性の才能を持った営業マンもいますが、大半の営業マンが、「人のために」とか「役にたちたい」という尊い目標を持ちながらも、なかなか芽が出ない人達が多いのではないかと思うんです。むしろコツコツやっている人が大半です。そういう人のお役に立ちたいと思いました。なぜなら、自分がそうだったからです。 もしかすると私と同じように、全く実績のない営業マンが、いきなり大きな成果を生み出すきっかけになるかもしれない、こう思ったのです。この一言がきっかけになって、「ノウハウをシェアする」という方向に少しずつ舵を向け始めました。
そしてもう1つのきっかけは、僕の友人から言われた強烈な一言です。 「もういい加減に自分の植えた可能性の種を、ほじくりかえすのは辞めたらどう?心配して、ほじくりかえすと、せっかく芽生えた芽もつぶれちゃうじゃん。自分を信じて、光と水をあげ続けなければ、芽は土から顔をだすことができないんだよ。僕には隆太の芽が出る未来が見えているよ!」と言われたんです。考えてみれば、妻からの一言がきっかけで、自身で営業活動を行いながら、ノウハウ自体をシェアしてみたいと思い約2年の月日が流れていました。その2年間は、
「こんなことをして喜ぶ人がいるのか?」
「シェアすることで、誰かに反対されないか?」
「自分の時間がなくなるのではないか?」
「これで生活できるのだろうか?」
たくさんのブレーキがかかり、なかなか本気でやりぬく決意が見いだせず・・・・。
一度植えた種を、ほじくりかえしてはまた植えての繰り返しだったように思います。そんなときにもらった痛烈な一言が、この一言でした。
「よしっ!」と思って、一念発起。そこで、この記念すべき日に、3つの誓いをたてたのです。それは、
①自分の才能の種を、自分でほじくりかえすことなく、水と光を当て続ける
②結果は、貴重な意見だと肝に銘じる
③1年で結果がでるように全力で取り組む。1年間は結果が出ないものだと考え、結果とお金を結びつけない。1年で、ダメならあきらめる。
というものです。
それからの1年間に、僕の才能の「種」を植え直して、1年で100人に思いを伝えようと思い、その間、お金はこの分野からは入ってこなくていいと結果に対する執着を手放し、ただ一生懸命に「光」と「水」だけを、僕の才能の種に与え続けました。結果、998人に想いを伝えることができました。 そして、今に至ります。この期間で、「自分のことを信じること」、「行動とお金を結び付けすぎないこと」の大切さを実感しました。 結果、喜んでくださる人がたくさんいることも知りましたし、提案にも自信を持てるし、話す言葉もブレがなくなりました。